植物の戦略については、過去ブログ「芽生える季節到来/ 足元に何が?」「薬よもやま話 -植物の知恵-」「こんな時期だから頭を働かす」でも何度か取り上げてきました。「植物のすさまじい生存競争」(著者:田中修 発行所:SBビジュアル)を読み終えました。すでに知っていることがありましたが、新たな知見を得ることができましたので、紹介します。 まだまだ、残暑が続きており熱中症を予防する必要がありますね。 植物は、この暑い夏をどう耐えているのでしょうか? この疑問に、この本が答えてくれます。もともと夏に弱い植物もありますが、それらは春に花を咲かせて種子を作りさっさと店仕舞いしてしまいます。夏に強い植物は、南方から伝来した植物で、いろいろな暑さ対策をしています。 ①葉を針にして、茎の表面にロウを被覆して水分の蒸発を防止しているサボテンは有名ですね。 ②地下の根を深くして水分を確保しているものにユーカリがあります。地下40mにもなり、そこに金鉱脈があると、ユーカリの葉から金が検出されるそうです。 ③紫外線が当たると「活性酸素」が生じて細胞を破壊します。この活性酸素の影響を防ぐ物質が「抗酸化物質」ですね。 ビタミンC、ビタミンEの他アントシアニンやカロテノイドは植物に含有されていますね。 植物は自らを守るためにこれらの抗酸化物質を体内の蓄積していて、動物はその恩恵に授かっている訳です。薬も同様ですが、植物の戦略は素晴らしいものがあります。 また、葉からの蒸散によって温度を下げています。昨日の話と関係していますが、我々人間も発汗する機能を劣化させずに自ら冷却する力を見直した方が、これからの気温上昇に耐えるために必要なことではないかと考えます。
植物の気孔の動画です → https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005301410_00000
口みたいにパクパクしています。