もう少し、行列に付き合ってくださいね。もう少しで1冊の本を読み終えますので。本の題名は「物理と工学で使う行列と固有値」(著者:谷 克彦 発行所:技術評論社)です。有限要素法に転置行列が出てきて、量子力学に固有値が出てくる意味を知りたかったため、勧められて購入してそのまま「つん読」になっていた本でした。 全部理解したわけではありませんが、この本を読んでみて行列を用いた座標変換は結構面白くなってきました。 大学の頃、X線回折や分子軌道の話がチンプンカンプンでしたが、漸くその糸口が掴めそうです。X線CTや立体視の話も、この座標変換そのものだったのですね。今日は、座標変換をまとめてみました。
資料 → 座標返還
p.1 平行移動の場合の行列は、対角が1の値で、平行移動距離がtx、ty及びtzということになります。赤枠の部分ですね。3次元の場合は1つ次元が増えて4次元の行列になります。 2次元の場合は3次元の行列になります。 このように次元を1つ増やすとどういう変換をするのかが分かり易いことと、下の方に書いたように「ω」が変数として入っていると、ビュー変換時に便利だそうです。例えばω=1は、単なる変換のみですが、ω=0に近づけていくと視点が遠方に近づいていくことになるどうです。この座標系のことを「同次座標」というそうです。
p.2 回転の場合です。これは以前のブログにも何回か出現しています。「眠くならない数学の本」「世界で一番美しい式」「経済も数学で理解できる」など。青枠の行列は覚えておくといいですね。軸により青枠の場所が異なります。
p.3、4 回転した後、平行移動する場合と拡大の場合です。 平行移動後回転すると結果が異なりますので、ご注意ください。
p.5 材料力学に登場するせん断力は、このように力がかかる方向に直角の軸の係数Sが掛けられ足されます。鏡に映した場合は、下のようになります。
p.6 今までは変換後の形が変わらないとしてきましたが、変わる場合はこのような係数がかかることになります。
今日は、基本的な座標変換の話をしました。この部分はそれほど難しくはなかったですね。Google earthもこの座標変換を屈指しているのでしょうね。
難しそうで、取っ付き難い本も、少しずつわかってくると面白みが出て来ます。