計算法に間違いがありましたので、訂正いたします(2023.3.1)。訂正後の青字の資料をご覧ください。
昨年の研修生から「微生物の検出限界を求める最確数法」の質問を受けました。私は統計の専門家ではないので、社内の専門家と文献を紹介しておきましたが、自分の勉強のため紹介した文献を読んで説明資料を作成してみました。 Excelで実際に計算してみました。
前回資料はこちら → 最確数法
訂正資料をご覧ください → 最確数法(修正)
Excelファイルはこちら → MPN
訂正資料をご覧ください → MPN(修正)
参考にした文献 → MPN文献
p.1 検出限界辺りは微生物濃度はかなり低くなります。この場合は、連続した値ではなく、飛び飛びの値(離散)となりますね。したがって、正規分布ではなく2項分布あるいはポアソン分布を用います。ポアソン分布も大事ですので、後日説明します。めったに起きないイベントに用います。試料中にr個存在する確率f(r)をポアソン分布の式で表します。微生物がいない確率はr=0を代入して求め、1個以上いる確率は1から微生物がいない確率を差し引きます。n個の試験管を用いた試験でx個菌が検出する確率をpとすると2項分布の式で表すことができます。 今回3種類の希釈を各々5本ずつ試験を行います。添え字の「i」は希釈i番目という意味です。
p.2 Excelの表で説明します。一番左の列が「微生物の濃度μ」、隣の青枠は「μ・ai」で希釈量を濃度に掛けて菌数を計算しています。緑枠は「1個以上微生物がいる確率」です。ピンク枠内は、5本の試験管の内、陽性(菌が検出)の試験管が現れる確率を上式から算出しています。一番右列はピンクの行毎に掛け合わせた積の値です。
p.3 前ページで算出した確率を縦軸、横軸を微生物濃度としてプロットした図です。 この曲線の関数f(r)をμで微分して0となるポイントがμ=0.5辺りにあります。ここが極大値つまり「最尤値」となります。 今回の希釈3段階で陽性が5-2-0という結果得られた場合、MPN法(Most Probable Number method)による最尤値はこのポイントになるということです。 この5-2-0 の数値に他に得られた陽性数を入れ換えることで、最尤値が変わってくるはずです。
p.4及び5 前回の資料です。訂正箇所に×印をつけておきます。
先日まで、「最尤法」は後日理解してから説明するという話でしたが、この最確数法にも出て来ました。 一応理解したのはここまでです。