シャボン玉液の調製方法はWebsiteでもたくさん検索できます。いろんな材料や配分がまちまちなので、どれが良いか悩みますね。例えば、たくさんの材料を検討しているサイトを見つけました。
シャボン玉液の研究報告書はこちら → https://www.jst.go.jp/cpse/jissen/pdf/houkoku/SG150112-A-16014.pdf
ハチミツは知っていましたが、納豆、バナナ、片栗粉、オクラ、山芋、ナメコなどを濃度を変えて実験しているのです。ねばねばの物は丈夫なシャボン玉ができそうですが。それにしても、相当時間がかかりそうです。そこで、品質工学の直交表実験を実行してみることにしました。
資料はこちら → シャボン玉
p.1 目的機能を「大きくで丈夫なシャボン玉を作る」にしました。信号因子をストローの直径にして、シャボン玉の大きさを測ることにしました。上述の文献が大きさを測っていることにならいました。ストロー径が大きければ大きなシャボン玉が得られるとしました。 誤差因子は、ポリエチレンの下敷きと軍手の何れでも割れないことを理想としました。 制御因子はWebsiteで検索して標準的な濃度を水準2にして水準1と3は広めに設定しました。
p.2 1回目の直交表実験を実施するために、18個のシャボン玉液を調製しましたが、調製している段階でとんでもない液ばかりができていて、とてもシャボン玉ができそうもない不安な気持ちになりました。 片栗粉は量が多過ぎて溶けないことに途中で気が付き、他の成分を入れる前に熱いお湯で溶かしましたが、濃度が高いものは固形物になったり、ドロドロになりとても他の成分が溶け込む状態ではありませんでした。途中まで作製した液が無駄になるので、最後まで調製して実験に望みました。大きさと割れるまでの時間を測定しました。ストロー径を3つも変えるので、結構面倒なのですが、シャボン玉ができない液もたくさんあり、実験数はかなり減りました。 紙コップを容器にしていたのですが、あまりに濃度が濃いためか、撥水性にしている成分が溶けて染み出しそうな気配を感じて、早々に実験を終えました。 大きさに関する要因効果図からすると、あまりいろいろなものを入れない方が良さそうな結果でした。時間に関しては、砂糖系が効きそうな気配がします。 確認実験は今回実施しないことにしました。
p.3 2回目の直交表実験は、水準3のレベルをかなり下げました。大きさは何とかなりそうなので、評価は割れるまでの時間だけに絞りました。確認実験をしましたが、SN比の利得は芳しくなく3dbを下回ってしまいました。
p.4 コンサルの先生に怒られそうですが、割れるまでの時間が長いものがSN比が大きくなるようにして、下敷きと軍手各々の要因効果図と下敷きと軍手のSN比の和による要因効果図を描いて最適条件と最悪条件の確認実験を行い推定利得と比較してみました。第1回目の直交表実験と同じような傾向が認められました。
p.5 上の図が動特性、下が時間が長いもののSN比を高くした場合の要因効果図です。ピンク枠の部分がやや異なった傾向を示しているので、第3回目の実験で検討したいと思います。
p.6 5つの要因効果図を全プロットしました。このようにプロットすると見えてくるものがあります。全プロットの結果から、読み取れることは、①水道水と精製水の効果は大きくない。②洗剤量は、1~3gが適量、③洗濯糊は少ない方がよさそう、④グリセリンは6~12g当たり、⑤片栗粉は入れない方がよい、⑥砂糖、ガムシロップ及びハチミツはもう少し過量してもよさそう と思われますので、再度検討してみようと思います。 甘いシャボン玉が丈夫になりそうです。
因みに、p.4の一番下の条件では、下敷き上では70分、軍手上では14分、タオル上では15分割れませんでした。下敷きでは球ではなく半球です。今後、軍手はやめにしてタオルに換えます。長時間ジッとしているのは疲れました。写真はタオル上のシャボン玉です。