偏微分方程式のその3です。「道具としての微分方程式」(著者:斎藤恭一 発行所:講談社)の第3章からです。5章まであるので、ちょうど「ハンプ」です。ここが読んでいて一番つらいところです。式導出が続き、心が折れそうです。昔なら、ここで読むのを諦めてしまうところです。最近は粘り強くなりました。 読む皆さんも飽きてきたと思いますので、読み飛ばしても結構ですよ。 少し間を置いてから、偏微分方程式をラプラス変換で解く第4章と解いた解をグラフにする第5章について説明したいと思います。
第3章の説明資料 → 偏微分方程式その3
p.1 直角座標の微分方程式です。昨日までは、一方向のみでしたが、今回は3方向の3次元です。やり方は全く一緒です。微小体積に入ってくるインプット、出ていくアウトプット、溜まりそして反応等で消失あるいは増加する量を各々式にして加減演算して、整理すると一番下の式になります。
p.2 一番上の式は複雑なので、演算子∇(ナブラ)で簡単に書き換えます。∇はベクトルです。∇2は、∇・∇なので内積です。∇の二乗ではありません。一番下の式のように簡素化できました。
p.3 質量流速と同様に熱量あるいは運動量流束についても同様な式になります。表をご覧ください。置き換えるだけでよいのです。濃度Cは質量流速に乗って「輸送された結果生じたもの」です。質量と熱量はスカラー量ですので1つしか式がありませんが、運動量は3つあります。 各々の式の左辺をゼロ、つまりジワジワ流束の(アウトプット-インプット)=0とします。時間項がなくなるので、定常状態の式になります。
今日は、ここまでです。 第3章は、かなり読みとばしました。 4章以降の説明は少々お待ちください。