以前紹介した最もわかりやすく数学を解説している「フーリエの冒険」(著者:トランスナショナルカレッジ・オブ・レックス 発行所:ヒッポファミリークラブ)の中身を少しづつ小分けして、説明します。以前にもお話したかもしれませんが、私の高校の数学の先生が「どんな波でも数式で書ける」と言った言葉が未だに記憶にあります。今日は、その逆をやってみます。いろいろな波を足し合わせるとどうなるかをイメージしてもらおうかと思います。
資料をご覧ください。 → フーリエ級数
p.2 sin(サイン)波は、横軸に角度θであったり時間tで表すことことができます。周波数f、周期(1/T)や角速度ωの関係式を載せておきました。
p.3 Aのsin波は周波数1Hz, 振幅20、以下B~Dのsin波は周波数と振幅が異なります。A~Dのsin波を足したものが一番下の合成波と書かれた波になります。A~Bに比較するとちょっと乱れた波形になりますね。 以前に倍音の話をしましたが、周波数1Hzの音が基準音とすると周波数2Hzの音が第1倍音、周波数4Hzの音が第4倍音となります。倍音があると音に深みが出てくると説明しましたが、波が合成されて複雑な合成波になっていると考えられます。同じドの音でも楽器によって音色が異なるのは、その楽器で合成されて発生する波に含まれている倍音の数やそれぞれの波の振幅の大きさが異なることによります。
p.4 実際の波はsin波だけでなくcos波も混ざっているので、余計に複雑な合成波になってきます。
p.5 p.3と同じ周波数と振幅を持つ4つのcos波とsin波の合成波と振動しない一定の振幅ものを足したものが右下の合成波です。複雑な波になりました。
p.6 複雑な波も一般式にある「フーリエ級数」の定数項A0とsin波とcos波の振幅が異なる複数の足し算です。
今日は、ここまでです。 次回は、複雑な波を分解して成分を解析する方法を説明します。「フーリエの冒険」では、野菜ジュースが本日の合成波だとすると、カゴメやデルモンテの野菜ジュースに含まれている成分トマト、セロリ、ニンジンの含量を解析する方法をたとえ話で説明しています。 この解析に、先日「直交表」で説明した直交の性質を上手く利用すると解析できるのです。 フーリエ変換の手法を使うと、グラフ上の点にフィッティングする曲線の式を求める「カーブフィッティング」が可能になります。是非、技術系の皆さんには身に着けて欲しい数学的手法です。 今後のブログ乞うご期待。
因みに、基準音を出す音叉の音は→ https://www.youtube.com/watch?v=PYpNv4qSRbU
シンプルな音ですね。