現代は肥満が増え、種々のダイエット法が議論されています。「運動しても痩せないのはなぜか」(著者:ハーマン・ボンツアー 発行所:草思社)といタイトルに惹かれて読んでいます。その中から、興味ある話題について取り上げます。
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p.1 2つのグラフをご覧ください。縦軸はいずれも1日のカロリー消費量です。横軸が脂肪抜きの重量と体重です。狩猟民族のハッザ族は非常に運動量が多いのですが、1日のカロリー消費量が西洋人と同じなのです。運動すれば消費カロリーが比例して増加するように人間の体はできていないようなのです。
p.2 脂肪抜きの重量FFMは、体重から脂肪重量を差し引いた値で、脂肪は代謝には反映しないために、この数値を指標に用います。アスリートは筋肉を鍛えていますので、FFMは高くなります。ハッザ族は脂肪も少ないですが、体重も少ないからFFMは低い値なのでしょう。肥満度を示すBMIも参考のために載せておきます。
p.3 肥満は代謝が低いので、運動して代謝を増加すればよいという考えはやめた方がよさそうです。ダイエットのために運動すると確かに体重は減少していきます。1日の消費カロリーは一緒なので、細胞の基礎代謝は下げる方向に進みます。蓄えていた脂肪も分解されて消費カロリーを補います。いい方向に進んでいるように見えますが、いろいろな生体活動を抑制する方向にいきますので、健康な状態とは言えなくなります。細胞が飢餓状態にいると脳は食物摂取を要求するようになります。ここでダイエットを止めると、元の体重に戻らず以前より多めの体重になってしまいます。よくリバウンドと言われています。未来の飢餓に備えようとする力が働くようです。再度ダイエットして止めると、さらに体重が増える悪循環にはまり、ダイエットを諦めることになります。 解決策としては、エネルギーバランスを考慮して、摂取カロリー ≅ 消費カロリーとなるように心がけるのが良いようです。極端なダイエットはやめるべきですね。
著者の講演動画 → https://www.youtube.com/watch?v=gnHg5P0pVJY
本日の相田みつを語録は、「アノネ がんばんなくていいからさ 具体的に動くことだね」