昨日、TVのコメンテータとして登場する東京大学薬学部教授の池谷先生の「脳を知ってモチベーションアップ」と言う題名の講演を聴いてきました。先生の本は、何度か取り上げていますが、ライブを見てとても有意義な時間を過ごしました。前半のメモをまとめました。臨場感はありませんが参考まで。
資料はこちら → 池谷先生講演内容メモ
p.1 この絵には何かが隠れています。何でしょうか? 正解はp.4にあります。
p.2 「高齢者は何歳以上か?」を質問すると、以下のような回答が戻ってくるようです。 この数字は思い出して描いているので正確ではありませんが、要は聞く年代により「高齢者」のイメージが異なっています。90歳に聞いた回答がポジティブでいいですね。現在の中学生年代の寿命は107歳と推定されています。医療技術が発達することがその理由のようです。私は、逆に寿命は短くなってしまうのではないかと思います。あまりに過保護になり過ぎて、人間はどんどん弱くなっていくのではないかと。 ②ヒトが誕生してから今までを100とすると99%以上は「狩り」の時代のようです。狩りの時代、男は狩り、大人の女は妊娠と授乳、子育ては周りの子供たちがしていたようです。この気質が現代社会にも残っていて、子供は親・大人の言うことを聞かず、子供同士のコミュニケーションを優先しているようです。 ③「良い子」とは? 親や教師の視点では、扱いやすい子と思いますが、本来は「親を不要とする子」にしたい。 ④「ほめる」「しかる」のどちらが有効か? マウスを用いた実験では、「報酬のみ」が有効であるという結果が得られているそうです。人間の場合は、必ずしも報酬のみが有効ではないようです。
p.3 ⑥「認知的不協和」という心理学用語があります。つまらない単調な仕事の報酬として、2,000円あるいは100円の報酬をもらった人のどちらが、この仕事を面白いと言ったか? 100円をもらった人は、この仕事は自分から進んで実施したもので面白かった。と言ったそうです。とった行動に「心」を整合する心理が働くようです。既に行った行動は変えられないので、変えることができる心を整合させるようです。事例として、イソップ物語のキツネが示されました。取りたくても取れなかったブドウを「あんな酸っぱいブドウなんていらない」と言って立ち去ります。⑦ゲームばかりしている子供に叱ってやめさせると、叱られたから止めると言う意識が働きます。外発的な動機づけがないとやめられないのです。そろそろ止めて、勉強したらと言って止めた場合は、自分の意志で止める内発的動機づけなので、ゲームに興味を無くすことも可能になるようです。絵を描いている子に「絵が上手。偉いわね」と言うほめ言葉は、行動自体をほめているので、絵をほめていません。この言葉で、絵に対する興味を失ってしまうかもしれないようです。 「お母さん、この絵大好き」と言うのが良いそうです。 学生が実験データを持ってきた際、先生は「面白いデータだね。今度こうしてみたら。」と言うようにしているようです。この方が、実験が失敗してもモチベーションは低下しないそうです。片付けをしない子の場合は、親が笑って率先して片付けをすることが、子供と対等な関係となり有効だそうです。 是非、試してみてください。 「ほめる」は上下関係、「感謝」は対等の関係です。
p.4 問題の解答です。「ABCD」が隠れていました。 あえて情報を隠すと見えてくるものがあると言う事例でした。
本日の相田みつを語録は、「親切という名のおせっかい そっとしておくおもいやり」です。