「職場の問題を解決する摩擦の力」(著者:ロバート・サットン 発行所:日本能率協会マネジメントセンター)を読み始めました。「摩擦」というと悪いイメージがありますが、良い摩擦も必要だということです。「悪い摩擦」は、組織のエネルギーを奪い、進捗を妨げるもので、例えば、意味のない会議、無駄な承認プロセス、過剰な専門用語の乱用、非効率な運用システムなどがあります。もちろん考え方の違いによる無意味な対立もありますね。一方、「良い摩擦」は、適切な判断を促し、質の高いアウトプットを生み出すための「抵抗」とされています。意見をぶつけ合って、より良い方向を見出すにはある程度抵抗が必要だということです。ブレーンストーミングなどは、一つの手法でしょうね。
問題を解決するには、フィリクション・フィクサーという存在が必要です。日本語に直訳すると「摩擦最適化請負人」となります。①原因を分析、②問題を特定化、③最適化する(例、無駄な会議やプロセスの削減)、④「良い摩擦」の導入(例、異なる部門の意見を取り込む)、⑤実行力の向上するガイドになるのがフィリクション・フィクサーです。 リーダーは特に、周囲の人々も積極的に関与していくことが必要だと思われます。①〜⑤のステップは、品質部門の「QCストーリー」の展開や「ゴール(理想)をイメージ→現実を見る→理想と現実のギャップを把握→問題を課題にする→課題解決策を練る→実行」のサイクルに似ています。 仕事の進め方は、言葉が異なってもプロセスは一緒ですね。
QCストーリーは、「QCストーリーを使って改善活動(体験版)」「QCストーリー(現状把握しよう)」「QCストーリー(いつもと違う)」「QCストーリー(現状把握→原因分析)」「QCストーリー(原因分析)の山場です」「QCストーリー(対策立案)」「QCストーリーの補足説明」をご覧ください。