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予測、優先順位付けに有力なツール(T法その1)

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T法について数値を使って説明していきます。以前に、「試して究める品質工学MTシステム解析入門」(著者:鈴木真人 発行所:日本工業新聞社)を紹介しましたが、本日は「入門 MTシステム」(著者:立林和夫、手島昌一、長谷川良子 発行所:日科技連)を参考に、本だけでは理解できない部分について何回かに分けて説明します。 T法は、予測に使える他、原因の優先順位付けにも応用できるので、工程管理、工程保証あるいは製造条件設定に携わっている方には有力なツールです。是非マスターして欲しいと思います。プログラムが得意な方は、Excelのマクロpythonで組むと良いと思います。今回、Excelファイルも添付しておきます。

説明資料はこちら → T法事例

p.1 「ある製造工程のパラメータが以下の時の製品歩留を以下の表に示す。別に得られた未知データのパラメータより歩留を推測せよ」という問題について解説していきます。右下の図を見てください。1~7のデータを特性値(今回は歩留)の大小の順に並べて、平均値付近のデータを単位空間とします。今回はデータです。5以外のデータを信号空間と呼びます。 未知のデータ(赤い星印)の特性値を予測するのが問題です。

p.2 単位空間(データ4及び5)の各パラメータ(B温度~加工時間)の平均値を算出します。 横軸に特性値(歩留)縦軸を各パラメータの数値でプロットします。通常は、横軸が各パラメータ、縦軸が特性値ですが、横軸を同じ尺度にするために特性値を横軸にプロットします。赤い三角印が特性値の真中辺りにありますが、必ずしも縦軸方向では真中付近にないことがわかります。

p.3 信号空間のデータ1~3、6及びの各パラメータの数値より、前述の平均値を差し引いて「基準化」します。 偏差値を求める際の基準化は、さらに標準偏差で割りますが、今回は差分だけです。基準化した特性値(歩留)に対して各パラメータの基準化した数値をプロットしたグラフを示します。ゼロ点を通る直線に各データが近いとSN比は高くなります。品質工学と同様です。この場合、B温度が歩留に影響を及ぼすことを示唆しています。

本日説明の資料は以下Excelファイルの「生データ」と「基準化」のシートを基に作成しています。

Excelファイルはこちら → T法

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