「真似してみる」で紹介した「品質工学講座6 品質工学事例集 欧米編」をパラパラめくっていたら、押出成形の実例が載っていました。400個以上もデータがあるので、スキャンしてGeminiに渡してExcelファイル用に数値を並べてもらいました。便利になりましたね。以前だと文字化けして修正が必要なことがよく起こりました。このデータを用いて、解析してみます。
資料はこちら → 押出成形(品質工学)
p.1 この押出成形機はレーザーによる外径測定装置のデータをフィードバックして成形機を制御していますが、この実験では、動特性データを取るために、フィードバック制御を外して行っています。左上のように、押出スクリューの回転数とチューブ外径に良い相関性がある場合を良しとします。制御因子を選定するために、チューブ外径に影響を及ぼす要因を特性要因図(フィッシュボーンダイヤグラム)でリストアップします。
p.2 スクリュー回転数を3水準の信号因子として変化させて、チューブ外径を測定します。制御因子としてA〜Kを選定し、L12の直交表の第1水準、第2水準に割り付けます。
p.3 信号因子1水準についてL12直交表の1行毎に12個のデータを計測します。添付のExcelファイルをご覧ください。右側の水色部分に計算式が入っていてSN比ηを計算します。この部分は触らないでください。計算式の意味は、次ページにあります。
p.4 計算式です。ST、Sβ、Se、Veを計算するためL2やrを計算します。繰り返しのn数及び水準数kにより自由度fが変化しますので、ご注意ください。今回、n=12、K=3なので、Seの自由度f=36-1=35です。
p.5 制御因子と水準名をExcelのセルに入れると、要因効果図の横軸に反映されます。
p.6 最適条件と最悪条件のSN比より推定利得を計算します。下欄には確認実験の利得を載せておきます。
繰り返し回数を今回12にしていますが、変更する場合は、青の網掛け部分を手直ししてみてください。p.4の計算式を反映させればそれほど難しくはありません。先ずは真似してみることが理解を深めてくれます。
Excelファイル → 押出成形データ