先日紹介した「幽霊が変身して実体に?」の続きです。量子力学に何回か挑戦するのですが、いつもシュレディンガー方程式がでてくるところで断念していました。 今回は、表記の内容を詮索せずに、流れを理解することにしました。
資料はこちら → 量子力学その3
p.1 ドゥブロイの関係式です。粒子と波を結びつける式です。エネルギーも運動量もディラック定数が係数となっています。Ψは波なので、eの指数関数で表されます。波と言えば三角関数ですが、オイラーの公式により指数関数の方が扱い易いですね。波の式を代入していくと右辺はEΨとなり、どこかで見た式になります。
p.2 ニュートン力学では運動量pと位置xの交換則は成り立ちpx-xp=0となりますが、量子の場合はゼロになりません。交換則が成り立たない事例は、ベクトル積や行列などがありますね。 運動量を量子力学では演算子で表記するので、px-xpに代入して変形すると-ihの項が出てきます。
p.3 エネルギーは運動エネルギーとポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)の和です。量子力学ではエネルギーをハミルトニアン演算子に、運動量を演算子に置き換えで式を変形していきます。どこかで見かけた2階微分の入った式になりました。
p.4 波動関数が、時間と位置に依存する積である指数関数にして、前述の式に代入すると定常状態(時間に依存しない)のシュレディンガー方程式が得られました。
p.5 自由粒子がx=0とx=Lの箱に入っている場合、ポテンシャルエネルギーを0、x=0とx=Lにおける境界条件を入れて式を変形していきます。エネルギーEは飛び飛びになることが式よりわかります。n2に比例するので、4倍、9倍そして16倍の位置にエネルギー準位が存在します。 この飛び飛びの状態が量子化ですね。
p.6 エネルギーの式を波動関数に代入すると、nが1、2そして3の場合の波の形が右図のようになります。定数Cは、波動関数の二乗の積分が確率1になることを用いて算出して、√(2/L)となります。
細かい部分は不明なところがありますが、運動量の演算子は、この形であるとして詮索しなければ、式の変形によりシュレディンガー方程式が導け、エネルギーが量子化されるイメージができました。 難しい概念も、流れを理解することが大事ですね。