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できなかったことができる方法もある

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有限要素法、画像処理あるいは量子力学における行列計算において、「対角化」処理は計算を効率化する際に非常に有効な手段です。その際に取り換え行列Pの存在が大きいです。 以前「計算を楽にするために」でも一度説明して、わかったつもりでいたのですが、もう一度復習しています。

資料をご覧ください → 対角化

p.1 ベクトル固有ベクトル(x・・x係数x’とy’を掛け合わせたもので表されるとします。通常は、基底ベクトル(ee・・e)で表されているので、基底ベクトル(x・・x)を用いた座標に変換する際に「取り換え行列P」を用います。 今回はP自体が固有ベクトルになります。途中の計算は、ご覧ください。P-1APを計算していくと、固有値λ対角に並ぶ行列になります。x、y、x’及びy’の関係を右上に描いておきます。

p.2 P-1APk乗を計算していくと、正方行列Aのk乗が、固有値のk乗対角に並んだ行列に導くことができます。

p.3 対角化する事例です。A-λEの行列を因数分解してλを求めます。この場合、λが3つ得られ、A-λEの行列に代入後、x、y、及びzの方程式を解きますが、不定方程式ですので、x=sのようにおいて解きます。すると、固有ベクトルが得られます。今回Pは、固有ベクトルを並べたものになります。P-1APを計算すると対角化できました。

p.4 上記の方法では、対角化できない行列があります。固有値が1つ(重解)の場合は、固有ベクトルが1つしかないので、対角化できないのです。 そこで「ジョルダン標準形」という行列を用いて対角化を目指します。 ジョルダン標準形は、対角行列の上に「1」があるものです。赤枠のように繋がっていても構いません。行列Aが固有値λ(重解)を持ち、固有ベクトルをxとして、固有方程式を解いていきます。ベクトルx=(x y) 、 y=(u v)とおくところがミソです。あとはP-1APを解くと、固有値λが対角に並び上に「1」となる「ジョルダン標準形」が得られました。

p.5 対角化できなかった行列Aをジョルダン標準形を用いて対角化していく流れをご覧ください。

今回私の収穫は、通常の方法で対角化ができない行列であっても、「ジョルダン標準形」を用いれば対角化可能であることを知ったことです。また、少し賢くなったのかな? まだまだ知らない事実がたくさん出てきそうです。

 

 

 

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