「バレット博士の脳科学教室71/2章」(著者:リサ・フェルドマン・バレット 発行所:紀伊國屋書店)を読んで、今まで得ていた知見が間違いだということを知りました。爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳の三位一体論がビジネス書でも引用されていますが、間違いのようです。大脳の周りにある辺縁系が感情をコントロールしている人間脳であると言われてきました。最近の研究では、辺縁系の一部である「外套(がいとう)」と呼ばれる部位が鳥類にもあるようです。人間は、この外套と大脳の間に新皮質という部分が存在しています。
以下の文献にも書かれています。 → https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/75-17-20.pdf
人間の脳は、他の生物に比較して進化していることもあれば退化していることもあるのです。空を飛ぶ能力、水中で長く泳ぐ能力、自分の体重の50倍の物を持ち上げる力、尻尾を切られ再生する能力もありません。この部分は退化させて、別の能力を環境に応じて進化させた訳です。 いろいろの可能性を持った配線回路を持って生まれてくるのですが「チューニング」と「プルーニング」という2つのプロセスにより脳の機能が発達していきます。「チューニング」はニューロンが結合して種々の機能を生じますが、プルーニングは使わない機能をなくしていきます。日本語の環境下にいると、英語の子音を聞き取るニューロンの結合がなくなってしまうようです。なくなった後でも再チューニングはできるが、非常に時間を要するようです。 4歳ぐらいまでにネイティブの英語を聞いていると英語の上達が早いと言われるのもこの辺りにあるようです。 生まれて直ぐ、人との関りがなく過ごしてきた子供は、情緒不安定・言葉の習得不完全・身体の発達不良が生じてしまうようです。チューニングが出来ずにプルーニングにより必要なニューロンの配線を結合できなくしてしまうためのようです。昨今の凶悪な犯罪や戦争も、この辺に原因がありそうです。 「三つ子の魂百まで」と言われますが、3歳までは特にスキンシップを大事にしましょうね。そしてチューニングにより、ニューロンの配線の結合をたくさんしておくと才能豊かな人に成長していくものと思われます。