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次元解析とは?

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一昨日は、無次元が都合が良い話をしました。その続きです。少しお付き合いください。私が高校生の頃、白衣を着た職業に憧れていたのですが、当時勉強していなかった私は、難関の医学系を諦めて化学系のコースを選びました。当時でも化学系は幅が広く、無機化学、有機化学、高分子化学、分析化学、電気化学、物理化学そして化学工学などの講義を受けました。現在はもっと幅が広くなってきているかもしれません。当時興味を覚えたのは、化学工学物理化学で、卒業研究の研究室選定の際は、どちらにするか悩みました。結局物理化学を選びましたが、化学工学で数値計算する辺りは好きでした。この化学工学の講義の中で「次元解析」の演習があり、昨日説明したレイノルズ数が登場してきたのです。「次元解析」は奥が深く1冊の本になるぐらいボリュームがあります。昨日、本棚から取り出して見たのですが、読むには手こずりそうなので、Webで検索することにしました。以下の資料は読み易いです。

読み易い資料はこちら → https://www.sit.ac.jp/user/konishi/JPN/L_Support/SupportPDF/DimensionalAnalysis.pdf

私がまとめ直した資料はこちら →  次元解析

p.1 物理現象は、無次元数の組合せで書き表せます。例えば、歩いた距離や速度を無次元数で表すことができます。バッキンガムのπ定理は、「無次元数=現象の物理量-基本単位数」です。

p.2 熱流体の関係式をバッキンガムのπ定理を利用して作る手順を示します。先ず関係する物理量とその次元式を表にします。次元は、M(質量)、L(長さ)、S(時間)及びT(温度)です。この場合、物理量が7つ、次元が4つですので、無次元数は3(=7-4)です。①hを算出する式を導くことにします。hをπとおきます。②ρとCpππとします。③h、ρ及びCpを除く物理量を分母にした式を3つ作成します。

p.3 分子と分母の次元が等しくなるようにa、b、c及びdを決定していくと、π、π及びπの式を得ることができます。何れも無次元数で、Nu数、Re数及びPr数と命名されています。

p.4 3つの無次元数を用いると、熱流体に関する式を表すことができ、右下のようなグラフを描くことが可能です。また、hはNu数を用いて表すことができました。

p.5 各物理量と次元の表です。

p.6 無次元数は、マッハ数、フルード数あるいはウェーバー数など用途に応じて種々あります。分子が慣性力で、分母に弾性力、粘性あるいは表面張力などがきます。

少し専門的になってしまいましたが、複雑な系では無次元数を用いてシンプルにすると取り扱いが容易になります。物理量に与えるパラメータの影響を予測することも可能になります。 興味のある方は、勉強してみてください。

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