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制約条件を利用して最適値を求める

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ある制約条件の下で、関数の極値を求める方法として「ラグランジュの未定乗数法」を説明します。 この方法は、物理だけでなく機械学習や経済にも応用されています。是非、この手法をマスターしてください。 風邪で熱っぽいせいか、いつもよりも難しい問題がイメージできるような気がしています。

資料ご覧ください → ラグランジュの未定乗数法

p.1 「+y=1の条件下でx+yの最大値を算出せよ」という高校生レベルの問題は、どうやって解きますか? x+y=Cという直線を動かして、半径1の円に接する場合のxとyを求めます。 この場合は、接線と直角に交差する原点を通る直線x=yであることを利用すると簡単に、算出できます。

p.2 上述の問題を「ラグランジュの未定乗数法」という方法で解く手順を書きました。①f(x、y)=x+yg(x、y)=x+y−1=0として、F(λ、x、y)=f(x、y)-λ・g(x、y)という関数を作ります。 ②このFをλ及び偏微分してゼロとします。 ③三つ式ができますので、これらからλを算出します。 ④λを用いて及びを求めます。

p.3 何も考えずに、p.2の手順で計算していくと、λ=±√2/2、x=y=±√2/2と算出できます。 これを図にしてみました。 f(x、y)=x+yとう平面が黄色のものです。縦軸z=f(x、y)にします。この(x+y)平面は、(1,0,0)(0,1,0)(1,1,2)を通ります。g(x、y)=x+y-1=0は、下に凸の縄文式土器をイメージしてください。(0,0,-1)に壺の底があり、同心円状に粘土半径を徐々に大きくしながら積み上げていきます。 この壺は、xy平面の原点に中心を持つ半径1の円を含みます。この絵では、ピンクで描いています。この壺をf(x、y)の平面で切断した切り口赤の楕円形です。g(x、y)=x+y-1=0という拘束条件は、(x+y)平面上で取り得るxおよびyは赤の楕円上だけという意味です。この赤の楕円中のx及びyの最大値は、先ほど計算したx=y=±√2/2であることが直感でもイメージできますね。 ラグランジュの未定乗数法は、複雑な曲面についても応用できますので、非常に有用です。

p.4 f(x、y)=4xyg(x、y)=x2/a2+y2/b2-1=0の制約条件の下で、最大値を求よという問題もp.2の手順で解くと簡単に解けます。

今日は、手順だけ説明しました。明日は、ラグランジュの未定乗数法の原理的な説明ができればと思います。

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