仕事柄、統計や品質工学を扱っていると数の2乗(自乗)あるいは「平方」が必ず登場してきます。書店で「世界は2乗でできている」(著者:小島寛之 発行所:講談社 BLUE BACKS)という本が目についたので、早速読みました。 ピタゴラスの定理、ガリレイ・ニュートン・ケブラー等の古典物理、ガウス、フェルマー、オイラー、リーマン等の数学、ピアソンやフィッシャー等の統計学、そしてボーアやアインシュタイン等の量子力学まで2乗は必ず式に登場します。不思議ですね。 この本を読んでいると、オイラー、リーマン及びラマヌジャン等は、1+2+3+4+…=ー1/12だと言うのです。変だと思いませんか。左辺は無限大(∞)になるのに、右辺にはマイナスがついています。 数学上はおかしくないようなのです。
理解はできていないのですが、資料にまとめてみました。ゼータ関数を定義するそうです。 → ゼータ関数
いろいろなアプローチがあるようですが、簡単なものだけ記載しておきました。複素数平面で成り立つようなのです。以前のブログ「今見ているのはどちら?」で虎の屏風の話を紹介しましたが、複素平面にすると今まで見えていないものが見えてくるのでしょうか? 振動して収束するような関数を持ってきて、複素平面上で「解析接続」という手法を用いれば良いそうなのです。都合の良いように、何でもありのような、騙されているような気がします。数学者の頭の中はどうなっているのでしょうか?
このリーマンゼータ関数で、数学者のリーマンは「リーマン予想」をしています。 ゼータ関数ζ(S)のSがマイナスの偶数の時、ζ(S)=0となるそうです。これらは「自明の零点」と呼び、この他は複素平面の実部1/2の線上にζ(S)=0となる「自明でない零点」が存在すると予想しています。150年経ち、最近はスーパーコンピューターを用いて数値計算して零点を探していますが、なぜこのようになるかはまだ解明されていないようです。 計算結果をビジュアルにしたものを最後のページに載せておきました。 宇宙空間あるいは微小な世界が想像される神秘的で綺麗な空間ですね。
最近、素粒子の挙動を「超弦理論」で説明しようとしている方々がいます。「閉じたヒモ」と「オープンなヒモ」に役割を割り当てています。音楽の世界でも閉じた楽器とオープンな楽器では振動の節の状態(周波数)が違いますね。 この「超弦理論」にも、このリーマンゼータ関数が登場するようです。 真空中に平行な金属板を置いた際に生じる、微弱な力で引き合う「カシミール効果」を解析する時に、ζ(-3)が登場するようです。 物理学者あるいは天文学者がこのリーマン予想を実践から解明するかもしれません。 神秘的な世界です。