夏休みなので、日頃読めない専門的な本を読んでいます。 物理や電磁気学に「div rot grad」という演算子が出てくるのですが、意味がよくわからず今まで来てしまいました。次に紹介する本は絵を使って説明してくれるので、イメージが湧きやすく理解を助けてくれます。本のタイトルは「今度こそ納得する物理・数学再入門」(著者:前野昌弘 発行所:技術評論社)です。 読んだ内容を例によって、自分流にまとめ直してみました。
資料はこちら → div rot grad
p.1は「div」のイメージです。微小な立方体から流出する量を表しています。
p.2は、イメージを数式化しています。z方向の流れだけを考えます。 この本では、立方体の天井から出る流れをプラス、底から入る流れをプラスにするので、底から出ていく量はマイナスと表現しています。つまり、立方体から出ていくものをプラスと説明しています。出ていくものは全てプラスにします。結果的には同じなのですが、私は立方体に入るインプットと出ていくアウトプットの差で考えた方が、微分の式がすんなり頭に入ってきますので、本には書いてありませんが、資料にはそのように説明しています。 本の説明の方が分かり易い方はそれでも構いません。
p.3は、「rot」のイメージです。 船がxy平面の長方形の辺に沿って左回りに航行しています。この時、潮の流れに沿った場合と逆行した場合に要する仕事量を考えると、この場合は、左回りの方がエネルギー的には有利になります。
p.4は、同じ「rot」のイメージですが、これは以前紹介した「物理数学の直観的方法」(著者:長沼伸一郎 発行所:講談社)の説明です。こちらの方が、電磁力学の数式を理解するには都合がよいと思います。 z軸を軸とした直径dの水車が流れの中にある場合の回転量を表しています。xy平面に垂直なz方向の方向つまりベクトルに関係していることがイメージしやすいからです。
p.5は、「grad」のイメージです。一言で言うと、ベクトルの勾配です。
これらの本を読んで、やっとスッキリしました。 最近思うのですが、理解できない時は、いろいろな本を見比べて絵で説明している本を読むと理解が速くなります。 絵で説明できる著者は、その事項についてよく理解している証拠だと思います。 数式ばかりを並べて説明している著者は、本当に数式を理解していないか、読者に理解させようという気がないかのどちらかではないかと勘繰ってしまいます。 最近、読みたい本が書店に置いておらずに、ネットで取り寄せることが多くなりました。本当は、パラパラとめくって絵が描いてあるか確認したいのですが。
これからも、可能な限り絵に描いた資料を作成するよう心がけます。