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+のあとf、fのあと+

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有限要素法MT法画像変換などの勉強していると、行列が必ず顔を出します。例えば「有限要素法の中身」「行列とベクトルを絵に描く効能」「正常、異常をどう数値で判断するか?」「固有値の求め方は?」のように、よく登場します。私の学生時代には習っていなかったことや、便利な道具なのに、今一理解できていないことが重なって、何度もブログのネタにしています。申し訳ありませんが、しばらく付き合ってください。 行列のどこが腑に落ちていないかと言うと、転置行列逆行列を掛けるとなぜ計算が容易になるかの仕組みがまだ消化しきれていないからなのです。先日、良い本を見つけました。「まずはこの一冊から意味がわかる線形代数」(著者:石井俊全 発行所:ベル出版)という本です。 腑に落ちていないことが解決する予感がしています。

本日の資料 → 線形代数その1

p.1 この本が良いところは、例え話を使って説明してくれたり、注釈が至る所についていることです。「線形」の定義を、(これは私が描きなおしたもの)で説明してくれます。線形は、①や②の性質を満足しています。が「」、が「」とします。染色体だと逆ですが。 結婚を「」、海外に行くを「」という関数にします。左上図は、「日本で結婚してから海外に行く」を表していて、右上図は、「男女が各々海外に行ってから結婚」する意味です。これが等しいと言っています。 これが①式「f(x+y)=f(x)+f(y)」を示しています。 昇進あるいは昇格することを「」という係数で示します。左下図は、「昇進後、海外へ行く」、右下図は「海外に行った後、昇進する」という意味で、②式の「f(kx)=kf(x)」を表しています。 絵でイメージすると忘れないですね。 線形性は? と聞かれたら、この絵を思い出せばよいのです。

p.2 ベクトルOPベクトルa一次結合で表せることを下の絵で示しています。この時、ベクトルaを「基底」と呼びます。

p.3 直交している二つのベクトルの「内積=0」であることを絵で説明しています。この「直交」という概念は、品質工学でも出て来ますね。

p.4 左上右上の図ベクトルpベクトルqベクトルeの方向に影を落としたものを矢印がない赤線で示しています。内積は実数ですので、前者はベクトルqの長さ、後者はベクトルeの長さ1を掛けたものになりますね。 下の図をご覧ください。上述の影に矢印がついています。これを「正射影ベクトル」と呼びます。カッコ内がベクトルpとeの内積ですので実数です。つまり影の長さです。それにベクトルeを掛けたので「正射影ベクトル」になります。このピンク字の部分は今後も良く出て来ますので、覚えておいてください。何度も言いますがカッコ内は実数です。

p.5 p.2で「基底」という言葉でてきましたが、同じベクトル同士の内積が1別のベクトルの場合の内積が0になる基底を「正規直交規定」と呼びます。便利な道具です。 次に、ベクトルaが与えられている場合に、これらの正規直交規定を求よと言う問題です。 この問題重要です。次のページに手順を書きました。

p.6 左の図を見ながら、手順①から④まで読んでいってください。クトルa方向の単位ベクトルe1を求める算出法です。ベクトルaの大きさで割ってあげればいいですね。②ベクトルbの正射影ベクトルは、p.4で説明しました。③ベクトルb正射影ベクトル差ベクトルを求めます。これはベクトルe1直交しますので、内積0です。これより差ベクトルが求まります。④差ベクトル単位ベクトルベクトルeとなります。 確認のため、ベクトルe同じベクトル同士内積を計算すると、前者は、後者がになることがわかります。 正規直交基底であることが検証できました。

本日はここまでですが、結構重要な性質ですので、覚えておいてください。

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