「道に迷ったら、知恵を屈指して方角を知ろう」「自然を読む」で、道に迷った場合のアイデアを紹介しました。 今回図書館から借りてきた「自然を導く」(著者:ハロルド・ギャティ 発行所:みすず書房)は、1957年に亡くられたハロルドさんが書いた本ですが、訳本としては新刊本です。ハロルドさんは「ナチュラルナビゲータ」でした。現代のように、GPSのない時代に5感をフルに使って道案内をした体験を基に書かれています。 先日の台風被害時の対応など現代人にとっての警鐘になると思われます。電気がなくても生きていける術を身に着けておきたいものです。
昔の人類はどうやって海を渡って旅をしたか? 想像してみてください。 最初は、渡り鳥を見て方向を決め、その後は星を利用しています。 著者は、「優れたナビゲータは、第6感よりは、5感により、様々な情報を収集して判断している」と述べています。
道に迷うと人は円を描くそうです。利き足が強いため、曲がってしまうようです。以前、真っ暗なトンネルの中を歩いたことがありますが、真っ直ぐ歩けず、右の壁によく当たっていたことを思い出しました。 背負っている荷物のバランスも影響するようです。 濃霧の中を歩く時は気をつけましょう。
不案内な道を進む際は、目印を残していきますが、植物等に傷つけないために赤い紐などを付けていくことがよくあります。 回収する必要がないのであれば、「ペーパーチェイス」と言って色のついた紙を置いていく方法があるそうです。雪山の場合は赤い紙にするようです。
音速は340m/秒なので、こだまが5秒で戻ってくる場合は向うの山腹までは850mぐらいとわかります。この他にも、太陽、月、木の茂り具合、雲の色、水の色を観察すると方角がわかることが書かれています。 「チコちゃんに叱られる」で「水の色は何色?」という問題がありましたね。答えは「青」でした。透明だと思っていたのですが、違うのです。深くなると濃い青になりますね。 ただ、自然界では緑色になることもあります。生物や粒子が多く塩分濃度が低いと緑色になると上述の本に書かれています。
私が生まれた頃の本ですが、古さを感じない不偏的な事実が書かれています。著者の観察力は素晴らしいものがあります。皆さんも、五感を使って物事を観察する能力を身につけましょう。