分散分析表に登場する「交互作用」について少し触れて、このシリーズは終わりにします。交互作用は、今までは統計ソフトに任せていたので、実際にどのように計算しているか知りませんでした。今回、漸く理解しましたので、説明します。 交互作用については、以前のブログ「実験の効果を判定するには」の添付資料の最終ページに概念は説明してあります。以下資料を基に説明します。
資料はこちら → 交互作用
Excelファイルは→ 交互作用
p.1 復習です。横軸にパラメータ、縦軸に評価結果としてグラフを描いた時に、交互作用がないのは、ぴったり一致している場合あるいは平行な場合で、あとは交互作用ありとなります。 具体的な例が左にあります。 喜多方と札幌の2地点で醤油ラーメンと味噌ラーメンのおいしさを縦軸にしてプロットします。醤油も味噌も喜多方あるいは北海道がおいしい場合は交互作用がないか、あってもその作用は小さいとなります。味噌は喜多方が、醤油は北海道がおいしい場合は、交互作用があると言えます。どちらかの地域がいつもおいしいとはならないということです。
p.2 昨日の三元配置の誤差(⑤)をみると全てがゼロではないので、A、B及びCの効果には交互作用があるかもしれません。
p.3 Cの効果を無視して、(A1、B1)と(A2、B2)の組と(A1、B2)と(A2、B1)の組の効果をみてみます。左下の図で青線が前者の組、オレンジ色が後者の組です。交差していますので、交互作用ありと言えます。前の組のデータは(4、4、12、16)で平均が9、後の組はデータが(4、8、8、8)で平均が7となり全体平均8に対して、前者は1引き上げる効果、後者は1引き下げる効果を示しています。
p.4 AとBの交互作用はp.3で求めた全体平均からの差を表の中に入れていきます。 BとC及びCとAについても同様の表を作成して、平方和、その合計、自由度及び分散を求めます。CとA以外は交互作用があるようです。 最後に誤差を求めます。交互作用を差し引いたため、誤差の表は全て0になりました。今回はF値の分母が0になってしまいましたので、計算不能で、A、B及びCの効果は何れも有意差ありという結果になりました。 通常、誤差が0になるのは、ほとんどありません。
p.5 今までExcelでは縦に表を書いてきましたが、横にすると分かり易いかもしれません。 右辺の同じ位置のセル内の数字を加算すると左辺の数字になります。
統計ソフトのブラックボックスになっている内容を理解しておくことは、出てきた結果を検証するのに役立ちます。 皆さんも、是非、億劫がらずに基礎的な知識として身につけておいてください。