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1回それとも2回?

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以前のブログ「悩ましい抜取検査数の設定」の説明、少し理解し難い部分があったかもしれません。 今年、品質系の新人だけ集めて研修を実施しましたが、講義だけでは眠くなってしまいますので、300個の部品の中に不良を3個入れておき、AQLと抜取数を変えて判定してもらう実体験をしてもらいました。AQLを厳しくすると不合格品をサンプルしてくる確率が高いことを感じてもらえたと思います。

1回抜取検査が常識なのですが、2回抜取検査があること知っていますか? 不良率が小さく絶対合格のはずなのに、当該ロットを不合格にしたくない場合もあります。特に製品単価が高い場合はそう考えますね。 例えば、①1回目不良数がゼロで合格、②1回目不良品1個以下は合格という合格基準で50個抜き取って検査したところ、不良品1個ありました。②に基づいて合格にしても良いのですが気持ち悪いので、③もう一度50個抜き取って、ゼロであれば合格と判定します。この場合の合格する確率はいくつになりますか? ①、②と比較してください。

資料をご覧ください → 二回抜取検査

Excel資料と一緒にご覧ください → 2回抜取検査

p.1 2項分布の式を用いてOC曲線を描きます。1回目ゼロ個の確率がP(0)1個の確率がP(1)となります。標本数n=50、不良数r、不良率pを代入して確率を算出します。 Excelでは「BINOMDIST」という関数があり、不良率を変えるとOC曲線を描いてくれます。 上述③の2回抜取の場合の合格する確率P(2回目)=1回目ゼロの確率P(0)+1回目不良品の確率P(1)×2回目ゼロの確率P(0)の式となります。

p.2 上述の①、②及び③のOC曲線算出結果とそのグラフです。50個サンプリングして1個が不良品の場合、もう1回、50個サンプリングして正常であれば合格にすると、不良率が小さい領域で、不良品ゼロの判定基準一回抜取より合格する確率は高くなっています。 抜取数は倍になりますが、高い製品をロットアウトするよりは良いかもしれませんね。 そのためにも、不良率を小さくする努力をして、品質に自信をもって欲しいと思います。

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