バイオミメティクス(Biomimeticsは、Biology:生物学、Mimesis:模倣、Technics:技術の複合語)については、「物真似からアイデアは産まれる」「ヒントは自然界に」「バイオインスピレーションとバイオミメティクス」などで何度か取り上げてきました。今回、「バイオミメティクスは、未来を変える」(著者:橘悟 発行所:WAVE出版)を読んでいたら、さらに新しいトピックスが書かれていましたので、紹介します。
ランプで照射した際に、従来素材の表面温度が59℃になるのに対して、シルバーアント遮熱素材は42℃と17℃も低くなるそうです。以下の動画で紹介されています。1:58辺りからご覧ください。
シルバーアント素材について → https://www.youtube.com/watch?v=4ERPYerRFlQ
ホッキョクグマの毛は透明ですが多孔質になっているので、内部に空気を蓄えて断熱性があると同時に乱反射により白く見えます。この毛を応用した素材は、ダウンジャケットの1/3〜1/5の薄さで同等の保温性があるそうです。また、乱反射の構造を真似したLEDランプカバーも考案されています。スタッドレスタイヤには、ホッキョクグマの足裏が参考になっているようです。
この他、医療用接着剤として、フジツボやマダニの分泌成分が注目されています。フジツボは水の中でも強い接着力で付着していますし、マダニはセメント様物質で皮膚に接着し、血を吸った後は、それを溶かして離脱するようです。生物にはまだまだ知られていない能力が隠されているようです。