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疲労のメカニズム

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疲労とはなにか」(著者:近藤一博 発行所:講談社)を読むと、「疲労」と「疲労感」は区別する必要があります。「疲労感」は休日願望(休みたいという気持)で、市販のサプリメントでは、「疲労感」を低減することしか検証できないようです。「疲労」は、疲労感の原因となる体の障害機能低下を意味し、計測することは難しいのですが、筆者らはヘルペスウイルスの再活性化量を計測することで、疲労を数値することを可能にしました。

資料はこちら → 疲労

p.1 週の労働時間が40時間以下と40時間以上の場合、唾液中のヘルペスウィルス(HHV-6)の再活性量を計測した結果です。疲労が多いと考えられる40時間以上の方が再活性量が増加しています。

p.2 左図が疲労発生のメカニズムです。eIF2αリン酸化により、炎症性サイトカインが生じて疲労が発生します。 右図は、ストレッサーにより、アドレナリンノルアドレナリンなどの興奮作用のホルモンが分泌されますが、同時に炎症抑制コルチゾールも分泌されます。このコルチゾール疲労の炎症性サイトカインを抑制します。ストレスが疲労を感じさせない作用があるのは納得できますね。例えば、明日までに会議資料をまとめなければいけないというストレスがあれば、疲れたとは言っていられませんから。オリンピック選手がストレスで疲れたとは言いませんね。ただ、ストレスが続くとeIF2αリン酸化蓄積していきますので、突然の過労死になる可能性がありますので、注意が必要のようです。

 

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