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干渉ある場合は、場所を変える

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脱離反応時に立体効果により生成する化合物が異なったり、全く生成しないことがありますので説明します。

資料はこちら → 有機電子論その5

p.1 ①の化合物が脱離反応するとあるいはになります。攻撃する試薬Bが表の2種類の場合に、②と③の生成比率が変化します。各々発見した化学者の名前が付いています。 なぜこのような比率になるかは、立体効果により説明可能です。ホフマン則に用いた試薬はメチル(C H3)基が3つありますので、3番目の炭素についている水素を攻撃し難いのです。2番と3番目の炭素にメチル基があるため、立体的に干渉するためです。1番目の炭素の水素は攻撃しやすいため、この水素を奪い、炭素1と炭素2の結合が二重結合である③の化合物が生成し易いのです。

p.2 アニリンの水素がメチル基に置き換わった化合物は、ベンゼン環のπ電子と窒素原子のp軌道間で電子が非局在化するため、ジアゾニウム陽イオンがベンゼン環の3方向(o、m及びp位)に攻撃してジアゾカップリング可能です。ベンゼン環のo位にメチル基がついた場合(右図)、4つのC H3基が同一平面になれないため、窒素のp軌道がベンゼン環のπ電子と非局在化できず、ジアゾニウム陽イオンはベンゼン環を攻撃できません。これも立体効果です。

これ以外にも、立体的な干渉があると反応が律速になったり制限を受けます。上手く使えば、構造の制御ができます。

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