トピックス 品質工学

1番使い易いのに

投稿日:

品質工学を敬遠する方が多いですが、せめて、直交表で特性値を評価する「許容差設計」ぐらい実施して欲しいところです。 従前の実験計画法と「許容差設計」では用いる直交表が異なります交互作用を検証したいのであれば、従前の実験計画法を用いる必要があるでしょう。この実験計画法を用いるには、交互作用の出る列を知っている方が使うべきだと思います。そこで、従来法、実験計画法及び品質工学を比較してみました。

資料はこちら → 従来、実験計画、品質工学

左から従来法です。要因が3つの場合、2つの要因を固定して、一つの要因を変化させて求める特性値になる水準を選定します。次に、この水準を固定し、要因2、要因3について適正な水準を決めていきます。真中は、実験計画法です。L8直交表は7つの列にパラメータを割り付けていきますが、赤枠の列はパラメータ間の交互作用が現れる列なので、効果確認できるパラメータ数は3つしかありません。しかも、実験後は分散分析を用いて、有意差がある(効果あり)を判定しなければなりません。右は品質工学の許容差設計要因効果図をシミュレーションしたものです。以前「お互いの影響を受けないような仕掛けとは?」で取り上げた方法をアレンジしてみました。L18直交表の割り付け表の水準の数字を各行について合計した値を特性値として要因効果図を描いたものが1番上の図です。交互作用がない場合です。2番目の図は、因子BとCの効果が正反対の交互作用がある場合の図です。一番下の図は、因子Bの効果よりも因子Cの効果が低い交互作用がある場合の要因効果図です。品質工学の直交表では、交互作用の影響は全ての列に平均的に分配されます。3つの要因効果図共に、因子B及びC以外の因子では、要因効果図において同じ形状をしており、B及びCの影響を受けていないことがわかります。Cの影響する効果だけが赤枠に現れています。品質工学の場合、交互作用が要因効果図で読み取れないとしても、確認実験で不具合が生じることで、推測は可能です。 以上、従来法、実験計画法及び品質工学を比較してみました。効果の程度を俯瞰的に見える要因効果図が作成できる品質工学(今回は許容差設計)が1番使い易い方法であると、個人的に思っています。このことをベテランの技術者が理解してくれるとよいのですが。

交互作用のシミュレーションアレンジ → 交互作用

-トピックス, 品質工学

Copyright© 進化するガラクタ , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.