「サプリメントの不都合な真実」(著者:畝山智香子 発行所:ちくま新書)を紹介します。できれば、サプリメントを使用しないで、バランスよく食事するのがベストだと常々思っています。以前、本ブログを始めた頃「人間は「考える葦」であると共に「考える管」である!」のなかで「動的平衡」の本を紹介し、「コラーゲン、コンドロイチン硫酸やヒアウロン酸を含有した食品やクリームなどが商品として紹介されているが、コラーゲンを食べても直接身体のどこかに運ばれていくわけでもないし、そのままコンドロイチン硫酸やヒアウロン酸が患部まで到達する訳でもなそうである。」という著者の福岡伸一先生の話を取り上げました。その時から、健康食品のコマーシャルを見ると、「嘘っぽいな」と思ってしまいます。今回紹介の本では、サプリメントのリスクについて、種々の事例が述べられています。まとめると、
- 専門家でない消費者がリスクを管理することができるかどうか?は疑問
- 健康食品はリスクが高いことを認識していない
- ビタミン剤を使うときは、健康食品でなく医薬品を使うべき
- ①痩せる、②筋肉増強及び③精力増強を宣伝している健康食品は、段違いにリスクが高く、違法薬物が含まれている可能性が高い。 食べて痩せることはありえなく、体重が減るのは相当強い毒性の影響の可能性が高いそうです。②筋肉増強するための「たんぱく同化ステロイド」は副作用があり医師の処方のみで使用すべき。ドーピング検査でもアウトになります。③は、ネットでは購入せず、医師の処方を受けるべきだそうです。
米国で肝障害が報告されている6つの植物成分の中に、ウコンと緑茶があります。ただし、この緑茶は、茶カテキンを主成分とするサプリメントであり、日常的にお茶を飲んでいる場合には問題になりません。サプリメントは、よい効果があるということで、多くの量を常習的に摂取するのが問題のようです。 野菜に肥料として、窒素・リン・カリを大量に与えすぎると「肥料やけ」が生じて枯れてしまうのと、サプリメントは似ているところがあります。 食品は、自然のものをバランスよく摂取するのが一番です。