「微生物のコミュニケーション法は?」で粘菌のコミュニケーションの話を取り上げました。昨日紹介した以下動画にも粘菌が登場してきます。
動画はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=LcLKQSQGlcU
資料はこちら → 縞々その2
p.1 通常、粘菌はバラバラに活動していますが、飢餓状態になると集合し始めて一つの生命体のような形態になります。粘菌に蛍光タンパク質を添加して観察すると、集合する際に、渦巻き状の波が観測されます。至る所に小さな環が発生して、それらが合体して大きな環になっていきます。細胞間で情報を伝達する化学物質により波が発生するようです。お互いにコミュニケーションを取り合って、整然とした波になります。
p.2 ひび割れにより模様を作るマスクメロンがあります。この動画で、炭酸カルシウムの懸濁液に振動方向を変えて静置したところ、ひび割れの形状が異なる実験結果が見られます。以前に、スピーカーや声の振動で砂の模様が変わるという話を「音を見る」で取り上げましたが、類似しているところがあります。
p.3 堰き止めておいた炭酸カルシウムの懸濁液を一方向に流してできたひび割れは、トンボの羽の形状に類似しています。ヤゴから成虫になる際、羽を伸ばす時に同じような力が働いているのかもしれません。動画の23分15秒辺りからご覧ください。
生物の模様を類似した現象から、発生機序を解明しようと種々の研究がされています。生物は我々が知らない神秘的な力を持っているのですね。