以前のブログ「どの検査法・診断法が適切か?」の説明が不十分でしたので、補足します。
資料はこちら → MT(診断)補足説明
p.1 人間ドックに行くと左表のような種々の検査を行います。2つの検査結果から健康か否かを診断するのは困難ですが、異常値であることは右上図でわかりますね。この時、正常値の平均値からの距離を測れば、異常の大きさを測ることができます。このものさしとして「マハラノビスの距離」を用います。2項目であれば簡単ですが、他項目となると、どの項目がある特定の病気のものさしにすることができるかわからなくなります。 まずは正常値の原点を各項目の健康人のデータの平均値から算出します。
p.2 ある特定の病気の患者を医者が「軽度、中度及び重度」と診断して分類します。「軽度、中度及び重度」の患者の検査結果と健康人の平均値とのマハラノビス距離を算出してプロットします。上図のように直線にフィットしている場合と、下図のようにばらついている場合があるはずです。信号SとノイズNの比がSN比ですね。上図の方が下図よりSN比が大きくなります。上下のマハラノビス距離は、別のものさしを用いて算出しています。前ページの検査項目から、いくつかをピックアップしてものさしとします。
p.3 L12直交表のA〜Kに検査項目を割り付け、水準1:その項目を使う、水準2:その項目を使わないとして割り付けます。一行目は全て水準が1ですので、全ての検査結果を用いてマハラノビス距離Dを算出します。「軽度、中度及び重度」の患者3名ずつ結果よりD値を計算して赤枠内の計算式によりSN比ηを算出します。12行のSN比を同様に算出します。
p.4 説明は省略
p.5 12行のSN比より要因効果図を描き、左肩上がりの傾斜が大きい項目が診断のものさしに有効であることがわかります。
前回はいきなり今回のp.3〜p.5の資料でしたので、理解できなかったかもしれません。