「二乗にして情報を分解」において、平方和の中にある情報を分解する話を取り上げました。今回、図を追加してイメージし易いようにしました。
資料をごらんください → 平方和の分解
p.1~3は、以前の資料の再掲です。
p.1 平方した数値をその数で割った数値を「変動」と呼びますが、「情報を持っているユニット」と考えます。2つのデータの変動の和は、(和の変動)+(差の変動)で表され、平均値の情報Smとばらつきの情報Seに分割できます。
p.2 この式は、分散分析や品質工学でよく登場します。2つのデータの平方和が(平均値の情報)と(ばらつきの情報)に分割されますが、この比(平均値の情報)/(ばらつきの情報)がSN比なのです。
p.3 因子AとBに対する4つのデータが左上の表のように得られた場合に、上述の2つのデータと同様に変動を式にしていきます。最終的に、全変動STは、平均値の変動Smと、因子A、因子Bの効果SA,SB及びばらつきの変動Seの足算で示すことできます。全変動の自由動fは4つの変動が1つずつなので足して4となります。
p.4 Aの効果SAを求めるため、p.3の式の一部を取り出してきます。赤枠と緑枠の式を等しいとおきます。右辺の1項が全体の平均の変動Sm、2項目は因子Aの効果SAです。式を変形するとSAは平均値mA1の変動と平均値mA2の変動の和から全平均の変動Smを引いた値となります。図をご覧ください。変動はp.1のように面積なので、矢印の線分の差ではないので、ご注意ください。
今回覚えて欲しいのは、「変動」は情報の塊で、分離された1つ1つが自由度であるということです。分解できれば、効果の寄与度や安定性が評価できるようになります。