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肉盗み、目ヤニ?

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成形すると、いろいろな不具合事象が発生します。原因があって不具合が生じます。この原因を理解することが対策を打つ上で大事なことであると思います。以下にまとめてみました。

資料はこちら → プラ技術その2

p.1 不良ではありませんが、見栄えを悪くする例です。成形品を取り出すときに、突き出しピンにより成形品を離型しますが、そのが残りますので、目立たない場所に突き出しピンを設ける必要があります。可動金型固定金型が接するPL(パーティングライン)の位置は右側の図のようにすると目立ちません。

p.2 「ヒケ」「ボイド」です。この2者は樹脂にかかる力の方向が反対になります。「ヒケ」は内部の樹脂が外側よりゆっくり固化する際に、内側に収縮するために生じる凹みです。ボイドは外側が先に固化して内部の樹脂が外側に引っ張られて内部にできた空洞です。気泡のように見えますが、中は真空に近い空洞です。成形直後に音がするのを聞いたことありますか? ヒケができないようするためには、①肉厚を均一化する、②リブ薄肉化、③肉盗みの対策があります。肉盗みとは面白い表現です。成形には、「目ヤニ」という言葉もあります。 この肉盗みの金型は構造が複雑になる欠点があります。

p.3 成形品の「ソリ」は表裏の温度差があると収縮の違いに生じます。L字の成形品のソリを防止するには、①肉厚調整、②角をRにする、③リブを立てる、④温度差解消などの対策があります。

p.4 「ショートショート」は、金型内の空気・ガスが抜けないために樹脂が奥まで到達しないことにより生じます。この場合は、金型を分割して気体の抜け道を作る対策があります。

p.5 「ウェルドライン」は、樹脂の流れが合流する場所で発生します。先に到着した方が固化するので、線上に跡が残ります。

p.6 バリは、①金型の摩耗、②成形金型の締め力不足あるいは③パーティングラインが複雑が原因で生じます。

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