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思惑が絡み合っている

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私のブログでは政治関連の話題は少ないですが、今回読んだ「政治思想マトリックス」(著者:茂木 誠 発行所:PHP)は読んでみて面白いので、紹介します。まだ半分ほどしか読んでいないのですが、図書館で予約されている方がいるので返却しなければなりません。 もう少し早く読み始めておけばよかったと後悔しています。読んだ内容を忘れないように図にしました。p.2の図は少しアレンジしてあります。 p.1の内容は1枚の表には表せないほどに混沌としています。本を読んでいただいた方が分かり易く、ご自分で体系化してもらった方がよいと思います。

資料はこちら → 政治思想

p.1 フランスの議会席の左側にいたグループが左派、右側が右派になったそうです。左派が自由主義・個人右派が保守的・共同体(国家)がポリシーでした。イギリスで産業革命が起きて、産業資本家地主の立場にわかれます。 ナポレオンは大陸を封鎖する保守派で対抗するイギリスやロシアが貿易規制を反対してナポレオンと戦争しますね。フランス革命が起こると、労働者資本家という図式が生じてきます。労働者を主体とする社会主義が発生します。さらに、平等ではあるけれど自由がない共産主義も現れてきます。 イギリスから自由を求めてアメリカに移住していき、アメリカが資本主義を先導していくなど、まだいろんなことが起きるのですが表には書き込めていません。世界恐慌が起きると、共産圏の計画経済が見直され、修正資本主義となっていきます。米国では、平等・グローバリズムを大事にする民主党銃規制、福祉なし、国家統制反対の自由主義共和党に2大政党となります。 当初リベラル(自由主義・個人)でしたが、現代米国のリベラルは「国家が個人を守る」という意味となり、自由主義は「リバタリアニズム」で表現されます。当初の右派・左派と逆転するようになりましたが、グローバリズムの民主党ナショナリズムの共和党という位置づけは同じです。国連は国際協調を目指す機構なので、民主党は存在を認めますが、共和党は参加したくない方です。トランプがWHOや環境問題に関与したくないのは「小政府」を目指す共和党のポリシーなのです。私は、ベトナム戦争や湾岸戦争は共和党が仕組んだ仕業かと思っていたのですが、一概にそうとも言えないようです。世界の警察になろうとしていたのは民主党で、共和党は自国第一主義でいたかったようです。共和党の中でもブッシュ大統領はグローバリストなので、中東問題に関わって湾岸戦争になったようです。金融業界は民主党を、製造業は共和党を推している構造になっています。

p.2 米国の2大政党を図にしてあります。上述の本の図を参考にしてありますが、一部追加してあります。横軸が経済縦軸が政治的な方向性を表しています。ソ連のレーニン・スターリン体制に反対したトロツキー派にユダヤ人が多かったそうです。このユダヤ人が米国の移民します。元々米国は、プロテスタントの一派であるピューリタンが多かったので、下表にまとめたように質素に働きお金を貯めて投資する人々が多いのです。移民したユダヤ人も金融業界で活躍するようになります。当初はグローバリズムの民主党にいて、中国等に資本投入しソ連の共産主義に対抗する原動力になっていました。 毛沢東率いる中国はソ連から下に見られていましたが、後継者の鄧小平、江沢民等がグローバリズムの路線に変更して米国の資本を得て、急激に近代化の道を進みます。この時期、米中は友好関係にありました。ユダヤ人が多いイスラエルにも米国は支援をしていましたが、イスラエルが好き勝手にし始めたため民主党のカーター大統領がエジプトとイスラエルの和平条約を締結したことが、ユダヤ人の反感を買い、ユダヤ人は共和党支持に変わります。トランプがイスラエルに肩入れするのも共和党にいるからです。 よく「草の根保守」とか「ネオコン」という言葉出てきますが、西部開拓時の米国を良しとする人々のことです。 トランプ、習近平、プーチンなどナショナリズムのリーダーが多いですが、次はグローバリズムのリーダーが出現します。既に米国は民主党のバイデン大統領になりましたね。振子のように行ったり来たりします。 この本でカトリックは、勤労と蓄財は罪なので教会に寄付するので、財政赤字な国が多いと書かれてありました。勤労は罪なので、カトリック系の国は昼休みが長かったり、早く帰宅してしまうのか。なるほどと思いました。

以上のこと以外にも目から鱗の話や納得する事実が解説されており、久々に面白く読ませていただきました。続きはまたのお楽しみにしておきます。

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