[思考の教室](著者:戸田山和久 発行所:NHK出版)を紹介します。 昨日、絵に描くと理解が深まる話をしました。最近、本を読んでいると似た話題が重なる部分が多いことを実感しています。 この本の著者の専門は科学哲学です。「上手に考える」方法をいろいろ提示してくれます。 その中で、絵に描くと理解しやすい例を紹介しています。次の資料をご覧ください。
資料はこちら → ツルカメ算
最近の小学校では「ツルカメ算」を教えているのでしょうか? 私が小学校の頃、この算術法には結構苦戦しました。その後、中学で方程式を習って簡単に解けると、もうツルカメ算をすること自体面倒くさくなり、やり方を忘れていました。 今習っても、おそらく苦戦しそうです。問題の下は、方程式で解く方法ですね。その下に、ツルカメ算の手順を言葉で書きました。その下が私が書いた絵です。全てツルとして、1匹ずつカメに置き換えていくと6本の差を解消するのは、カメが3匹の時ですね。 この絵でも少しイメージが付くようになりますが、上述の本では、面積で考えると理解しやすいと説明しています。右図の上が、問題に書かれた情報を書き入れています。縦が1匹当たりの足の数、横が匹数、そして面積が合計の足の本数になります。xとyの長さを求めたい訳です。 下の図をご覧ください。yを左端まで伸ばした面積が16cm2で、これがすべてツルの場合の足の数になります。この上の長方形の面積が22-16=6cm2、高さが2cmなので、6÷2=3cm、めでたくカメの数xが求まりました。いかがですか? ツルカメ算の手順を面積に置き換えただけですが、理解しやすくなりました。 小学校の時、この方法を教えてくれたら苦戦しなくても済んだのに。 でも、方程式を習わない時代はツルカメ算を使っていたのです。 思考し易くするために、手を使って絵に描いてみましょう。頭で考えているよりも解決が速いと思います。