2つのベクトルの角度が90°の時「直交」と言い、大きさは0になります。フーリエ展開においても0になるものがありますね。以前のブログ「フーリエ展開」で説明しました。関数にsinあるいはcosを掛けて積分した時に0になりました。ベクトルの内積とフーリエ展開は関係があるのです。
資料はこちら → 射影と直交
p.1 相関係数のところで説明したように、ベクトルXとYが直角の方向を向いている場合、「直交」といい相関係数rは0になりましたね。相関係数は、ベクトルの内積を2つのベクトルの大きさで割った値でした。内積が0なので相関係数rも0になるのでした。 品質工学の直交表は、各列をベクトルとみなせば、列間の内積が0つまり相関係数rが0で各列は相互作用がなく独立した性質を有しているという意味なのです。
p.2 フーリエ展開でcosωtとsinωtの積の積分は周期Tで0になりますね。
p.3 ベクトルBのA1軸への射影がベクトルP1、A2軸への射影がベクトルP2とした時、ベクトルP1は右下のようにあらわすことができます。
p.4 ベクトルA1、A2、B、P1及びP2を各々cosωt、sinωt、f(t)、a1cosωt、b1sinωtと書き換えて計算していくと、b1及びa1はフーリエ展開で得た振幅と一致しました。
p.5 関数f(t)のcosωt軸への射影の成分がa1とsinωt軸への射影の成分がb1、ベクトルf(t)の大きさが√(a12+b12)となります。この結果は、1昨日の「離散フーリエ展開」の周波数特性のところで話した内容と一致しました。
今回説明したかったことは、品質工学ー直交表ー相関係数ーベクトルの内積ーフーリエ展開-周波数特性 と繋がっていることです。私は、この繋がりを非常に面白く思えます。皆さんはいかがでしょうか? 1つ理解すると芋づる式にいろいろなことの理解が深まっていきます。 このことを伝えたかったのです。