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安定性はイメージが大事

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無料で学べるオンライン大学講座gaccoで「統計学Ⅱ:推計統計の方法」が開講されています。前回時間に追われて挫折しましたが、今回はブログ作成の合間に可能な限り見ることにしています。溜めてみると嫌になるので、少しずつ見るのが継続するコツです。 既に知っていたと思っていたことや、何となく腑に落ちていなかったことも、新鮮に感じたり、ああそうなんだ!と思うことが時折出てきます。その内容について、また紹介しますね。

今日は、久しぶりに時間的な余裕が出来ましたので、以前研修勉強会で説明した資料を手直ししてみました。どこかで見たような資料かもしれませんが、少しずつ進化しています。 技術品質業務に携わる方が必要な統計的なノウハウを伝えることができればと思います。 本日は、「製造条件」や「サンプルサイズ」の設定に関する考え方を述べたいと思います。 「サンプルサイズ」については、何回かに分けてお伝えします。今日は「触(さわ)り」を述べます。脱線しますが、「触り」とは前振りではなく「サビ(大事な部分本来の意味だそうです。

資料はこちら → 品質・技術者に必要な統計手法①

p.2 ①~④のような項目の触りの部分は知っておくべきだと思います。今日はについて説明し、順次ブログにアップしていきます。これらの内容は、私が必要に迫られて勉強してきたものです。

p.3 以前、品質管理部門の必須アイテムである「管理図」を紹介しました。例えば、ある工程で製品の寸法を測って、時系列でプロットしていきます。(寸法規格の上限値下限値の差)を、(得られた寸法データのばらつき(標準偏差σ)の6倍)で割ったものを「工程能力指数Cp」と呼びます。 研修生には、何度も説明するのですが、直ぐ忘れてしまいます。 この場合の注意点: Cpは、分布の平均値がどこにあっても数値は計算できてしまいますので、ばらつきが小さくて規格の上限値や下限値に近接していてもOKとなってしまいますので、最近はCpkを使うように勧めています。理由は後述します。今は、説明し易いので、しばらくCpで話を進めます。

p.4 出力が10~40mWの製品を製造すると場合、製品の出力を検査した分布はどれが理想か?について、できるだけ正確に書いてください。と研修生に問いかけます。ピンク色、緑色それとも青色? ピンク色を選んだ人は、品質センスがない人です。 私がここで学んで欲しいのは、「分布の裾野はゼロにならない」ということです。 釣鐘状の面積は確率を表していて全面積が100%だとすると、ばらつきが小さい青の方がピンク色よりもピーク高さは高くなります。

p.5 Cp=1の図を描いてみてください。正規分布(標準偏差σだとすると「平均値±3σ」の曲線が図のように描けます。p.4で正確に書いてねというのは、赤丸の部分です。Cp=1の場合、上下限値より合わせて0.3%はみ出ます1,000個に3個不良品が出る確率があるということなのです。

p.6 標準正規分布曲線をフリーハンドで綺麗に描くために知っておいてほしいことは、①標準偏差σが分布曲線の変曲点(後述)である、②平均値μをゼロに平行移動したものが真中の図、(x-μ)をσで割って基準化したものが一番下の図で、平均値ゼロ標準偏差σ=1の「標準正規分布曲線」になっています。この横軸の0、1、2及び3が統計量と呼ばれており、「統計的検定」で活躍するのです。いろいろな分布について、同じ土俵標準正規分布曲線)で比較しようということなのです。

p.7 正規分布の関数を1回微分すると傾き(一番上の図の矢印の向き)、この傾きは真中の図のように、変曲点でゼロになります。つまり2回微分がゼロです。変曲点は平均値からσ離れた位置になります。

p.8 工程能力指数表のような数値で、安定した工程か否かを判断しています。私は、何回も使用しているので数値は自然に出てきますが、数値を暗記するよりは、「図でイメージして!」といつも言っています。左右に3等分して描いたのがp.5の図ですね。では、左右に4等分の場合は、左右に3番目のところに釣鐘の裾野が来るように曲線を描くとオレンジ色のような分布になります。左右に4σなので、幅は8σとなり6σで割るとσは消えて8÷6≒1.33となります。 左右に5等分の場合は、3番目のところに釣鐘の裾野が来るように描くと色の曲線になります。左右に5σ幅は10σなので、これを6σで割ります。10÷6≒1.67です。 いつも3σの位置に裾野が来るように分布図を描くのがミソです。 そして工程能力指数は常に6σで割ります。 1.33とか1.67という数字を覚えるより、どのくらいのばらつきの分布かをイメージした方が良いのです。絵に描けば、余裕があるのかないのか一目瞭然です。いかがですか? 工程能力指数の意味を少しでも理解できましたか? 研修でも、なかなか理解できずに困っている方が何人もいました。

p.9 最近、工程能力指数CpでなくCpkを使うように指導しています。C=(上限規格値ー下限規格値)÷6σでしたが、Cpk上=(上限規格値ー分布の平均値)÷3σとCpk下=(分布の平均値ー下限規格値)÷3σのいずれか小さい方を採用してCpkとします。 左上図は、分布の平均値が左に偏っている場合です。平均と上限値の幅が4σ下限値と平均の幅が2σ各々を3σで割って(1.33、0.67)の小さい方0.67を選択します。下限規格の方にはみ出しているのでCpk1を切ってしまいます。右上図は、反対に上側規格の方に分布がずれている場合です。右下図は、上側に4σ下側に8σある場合です。各々3σで割ると(1.33、2.67)で小さい1.33Cpkとします。この場合は、右に偏っていますが、ばらつき(σ)が小さいので、上側でも十分安定していることになります。

以上長文になりましたが、正規分布曲線をポイントを掴んでフリーハンドで描ければ、物事の本質を理解したことと私は考えます。難しい式は、その後理解すればよいのです。

 

 

 

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