昨日取り上げたMT法を用いてマハラノビス距離を算出した後、どのように診断等に用いるかについて説明します。
説明資料はこちら → MT(診断)
Excelシートはこちら → 診断用直交表
p.1 例えば、人間ドックで検査を実施した際、循環系、呼吸器系、肝機能系疾患がある場合、特定の検査項目の検査値に異常値が出ているはずです。例えば、肝機能疾患の軽度、中度および重度疾患者を各々3名選び、各種検査項目を適用する(水準1)場合、しない(水準2)場合の12通りについてマハラノビス距離を算出します。 直交表の1行目のマハラノビスク距離をプロットしたイメージ図が右下です。軽度より重度の疾患者の方が健常人からの距離が遠くなる(グラフの縦軸がマハラノビス距離)はずです。1行目のSN算出式をグラフ上に示しました(赤枠内)。2行目以降も同様にSN比を計算します。
p.2 左側にSN比算出式の一般系、右側に3×3のデータの場合のSN比算出式を示しています。今回は、上述で示した右側の式(赤枠内)を用います。
p.3 品質工学と同様に各項目の水準についてSN比を算出して、要因効果図を描きます。算出の仕方は覚えていますね。例えば、A1はNo.1~6のSN比の平均値、A2はNo.7~12のSN比の平均値です。B1は、No.1~3とNo.7~9のSN比合計の平均値となります。あとは同様の方法で計算してください。不明な方はExcelの該当セルをクリックするとわかります。水準1と2の差(利得)が大きいほど、今回の場合は、その検査項目が肝機能疾患であることを判断するために有用であることがわかります。
このMT法は、疾患だけでなく機械の故障診断等について利用可能です。またマハラノビス距離を算出して予測にも使えます。