最近、安全教育に疑問を持つことがよくあります。以前のブログ「KYTだけで危険予知できますか?」でも述べました。 KYT(危険予知トレーニング)やリスクアセスメント自体は実施すべきだと思いますが、頭だけの訓練や知識だけになってしまう可能性があります。 どの程度危険なのかを疑似体験する機会がなさすぎると思います。カッターもノコギリも危ない思いをしないとその危険性は身につかないと思うのです。 ところが最近は、危ないという理由で使用を禁止さえもします。過保護過ぎるのか、使わせて問題が起きた際の責任回避のためなのではないでしょうか? ボーイスカウトのリーダーをしていた頃、ナイフで削って割り箸を作ったり、竈(かまど)で燃やす焚き木をナタで切ったりすることをさせてきました。怪我をすることもありましたが、刃物の危険さを肌で感じたと思います。 あるスカウトは、他のスカウトにノコギリを手渡す際に柄を相手に渡さずに刃の方を渡して相手に怪我をさせたこともありました。この経験により、相手に渡す際に気をつけるルールを身に着けたのではないかと思います。
上手な鉛筆あるいは箸の削り方は→ 鉛筆削り
左手の親指とナイフを持った右手は固定し、鉛筆を握っている左手の親指以外の指を手前に引く、つまりナイフを動かすのではなく、鉛筆を手前に引いてくるようにすると上手く削れますし、刃の前に指が出ないので、安全です。
最近はマッチで火を着けることがなくなりましたので、火の熱さを身をもって感じることがないと思います。 スカウトが焚き木にマッチで火を着ける訓練をした際に、マッチを使ったことがないスカウトは、マッチ棒に火が着くと長く持っていることができずに、直ぐ下に落としてしまうのです。マッチ箱1箱を全部使っても、焚き木に火を着けることができませんでした。火を指より下にして持つので、炎が指の方に向いて熱くなり落としてしまうことに気が付き、持ち方から教えました。 きっと火の熱さは記憶に残ったことでしょう。動画で見せるよりも、5感で感じることが必要だと思います。 臭い、音、味、触感などで覚えたことは忘れません。親になったり、部下を持ったら、是非、安全に気を付けながらも体験させてあげることを望みます。 それからもう一つ、子供には殺戮するゲームは極力させないようにしましょうね。 ゲームでは何度も生き返るかもしれませんが、生身の人間は死んでしまいますよ。 ゲームでは相手の痛みも感じられませんしね。