「小説みたいに楽しく読める病理学講義」(著者:福嶋敬宜 発行所:羊土社)を紹介します。病理学は、医学生にとっては膨大な情報があり大きな壁になっているそうです。病理学の権威である著者も同様だったようです。以下の「パソロジー思考」の5つの視点で病気を捉えればよいそうです。このpathologyは病理学のことで、5つの視点で整理して考えればよいようです。奥深そうですが、少しでも知見が得られれば幸いです。面白いトピックスがあれば、また紹介します。
- 病気は、病因・病態で括る
- 病態の連鎖と重なりを考える
- 組織・細胞所見から病態を考える
- 病態の臓器特異性を考える
- 時間軸を持って病態を考える
- 第1章:病理学をはじめよう
病理学の基本的な役割や、病理医が普段どのような視点で顕微鏡を覗き、診断を下しているのかを分かりやすく導入します。誤って指を切っても、体は数分で自動的に血を止め、傷口が小さければ数日でふさがり、皮膚が完全に再生する。細胞同士が「どこまで増えれば元の形に戻るか」を対話しながら正確に修復を止めています。著者は、「神様のような精巧さ」と言っています。 - 第2章:病理学で「病気」を読み解く
正常な細胞や組織が、どのようなきっかけで「病気」の状態へと変化していくのか、その全体像を解説します。 - 第3章:がんを読み解く
日本人の死因上位である「がん(悪性腫瘍)」について、細胞が暴走するメカニズムや、良性腫瘍との違いを病理の目線で紐解きます。 - 第4章:「炎」を読み解く
体が傷ついたときに起こる「炎症」のメカニズムを解説。なぜ熱を持ち、腫れるのか、体が戦うサインとしての炎症を読み解きます。「炎症」は火事と同じで、熱を持つのは体が異常事態を知らせるアラーム、血管が広がることで、クレーン車や消火戦隊にあたる「白血球」を現場に大量に送り込んでいます。 - 第5章:循環の不具合を読み解く
血液や体液のめぐりが悪くなることで起きる、梗塞やうっ血などのトラブル。命に直結する「流れの異常」に迫ります。 - 第6章:均衡状態の破綻を読み解く
体が一定のバランスを保とうとする「恒常性(ホメオスタシス)」が崩れたとき、人間はどのように病気になっていくのかを総括します。 - 第7章:病理学のこれまでとこれから