行列については、何度も取り上げていますが、「行列と行列式の基礎」(著者:池田 岳 発行所:東京大学出版)をパラパラとめくっていると「魚」の図が目に入り、興味を惹かれたので、図書館から借りてきました。その部分だけまとめてみました。
資料はこちら → 行列(さかな)
p.1 左上の「恒等写像」が基本の図形になります。これに係数aをかけたものが右隣りの魚で、aの値次第で相似で拡大・縮小します。その右隣りは、2行2列目に係数bが掛かっていますので、x軸とy軸での拡大・縮小率が異なります。回転の場合は、左下のように三角関数が配列された行列Rθとなります。右は、x軸、y軸及びy=x軸を軸にして鏡映したものです。
p.2 左上の基本図形に対して、2行2列を0とすると、x軸にぺしゃんこになった線分になりますし、1行1列が0の場合は、y軸にぺしゃんこになった線分となります。右下は、基本図形の回転行列をA、x軸に関する鏡映行列をBとした時に、AB及びBA行列を求め、描いています。行列の計算では、ABとBAは別行列になりますが、魚の絵でも違いは分かりますね。
行列の計算だけではイメージし難くても、このようなイメージ図があると理解が深まります。現に、画像処理では、行列を用いて回転・拡大・縮小・反転を行っています。