性状やIQは遺伝するかどうか気になりますね。以下の動画を見て、今まで思っていたこととややニュアンスが異なることが理解できました。資料にまとめてみました。
動画こちら → https://www.youtube.com/watch?v=kjJtjslJBps
資料はこちら → 遺伝子その1
p.1 遺伝するか否かは、一卵性双生児と二卵性双生児の差を見ると早く結果を見ることができます。一覧双生児のAさんとBさんのいろいろな形質について相関係数を求めると0.8。二卵性双生児のCさんとDさんについて同様に相関係数を求めると理論上は半分の0.4となります。遺伝率は、(一卵性双生児の相関係数−二卵性双生児の相関係数)×2で定義され、「集団のばらつきに遺伝が与える影響」の意味を持ちます。指紋について、一卵性双生児の相関係数が0.98の場合、二卵性双生児の相関係数は半分の0.49になります。IQの場合は、一卵性双生児の相関係数が0.73ですが、二卵性双生児の相関係数は半分の0.36ではなく0.46となります。この場合の遺伝率は、(0.73-0.46)×2=0.54(54%)です。残りの46%は環境効果で説明できます。
p.2 上述の46%の環境は、19%の共有環境と27%の非共有環境に分割されます。共有環境とは、同じ家庭で育てられたという意味です。非共有環境とは、双子であっても部活が異なったり、就職先が異なるように周囲の環境が違う場合です。双生児の個人差は、この非共有環境によって生じます。IQテストの遺伝率が50%の場合、100点満点のIQテストで50点分が親からの遺伝で決まるというのは間違っています。IQテストの平均値からのばらつきが10点の場合、半分の5点が遺伝で説明できるという意味です。少し、気が楽になりますね。
p.3 種々の形質について、遺伝、共有環境及び非共有環境の比率を示しています。身体、音楽、スポーツは遺伝率が高いですね。外国語は、環境も効いていることを示しています。共有環境は、身内に英語を話す人がいるようなケース、非共有環境は、仕事の都合で海外生活を経験することを意味します。環境を整えば、外国語を話せるようになるので、諦めなくても良さそうです。IQの遺伝率が、年齢と共に上昇しています。これは、共有環境の低下に伴い遺伝率が上昇しているように見えることが考えられます。 性格は、意外と環境要因が効いていますね。右側の要素は環境次第で変えやすいので、諦めず努力すべきです。