トピックス 品質工学

安心感があるのはどれ?

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そもそも品質工学の46~48話では、3つの歩数計について評価する方法を説明しています。動画を見て、自分なりにまとめてみました。YouTubeの動画下方あるいnoteにExcelファイルがありますので、動画を見ながらExcelファイルを覗いてみてください。 このExcelファイルを見ないで、自分でも式を入れて計算してみました。

資料はこちら → 3種類の歩数計

p.1 昨日、機能が大事という話をしました。歩数計の機能は何でしょうか? 技術者お客様の視点で機能は変わりますが、計測器の場合は、真の値をインプットして、計測値がアウトプットにします。真の値は、実際に歩いた歩数で、アウトプットは計測値になります。機能性は動特性で評価しますが、この際の誤差因子は、歩数を多めにする要因低めにする要因に分類して、調合してN1N2とします。

p.2 安価、中級および高級な歩数計について、N1とN2の条件下で40、70及び100歩歩いて各々カウントします。先ず、グラフに書いてあやしい点がないかチェックする。①誤差因子の傾向が信号によって変わらないか、②線を延ばした時に原点を通過するか?などを見ます。このグラフを見ただけでも、高級な歩数計のばらつきが小さいことがわかります。

p.3 評価の際に用いる変動、分散を計算します。計算式を載せておきます。自由度は、「平方の数」と覚えておくとよいようです。

p.4 3つの歩数計についてSN比を算出し、下欄の表に数値を入れておきます。値段が高い歩数計の方がSN比は大きくなっています。つまり真値に近い計測値になるということです。

p.5 市場で品質問題が生じる場合の損失を計算します。「損失を評価する手法」で損失関数を説明しましたが、今回この損失関数で損失を計算します。真値が100歩のとき、許容されるカウント値は95~105歩とします。つまり、10%の誤差を許容します。これ以外の数値の場合、市場からクレームが来て、機能限界の損失A0は、本体価格(弁償)+1,000円(処置費用)とします。損失Lの中にσの項がありますので、製品機能のばらつきσ(p.4の誤差分散VNの平方根)を代入して算出します。損失金額を右下表にまとめておきます。このように、損失関数は、部品の選定や材料選定などにも使えます

p.6 3つの歩数計について95~105歩に入る良品率を計算します。平均値は、100歩でのN1とN2のデータの平均値を用います。N1とN2はほぼ境界領域の状態ですので、2つのデータしかなくても平均値を代表しています。標準偏差σは、誤差分散VNの平方根を用いています。正規分布であるとすると、95~100歩の確率は「NORM.DIST(105,平均値,標準偏差,TRUE)-"NORM.DIST(95,平均値,標準偏差,TRUE)」で算出することができます。以上をまとめると、初期費用はかかりますが、精度や良品率を考慮すると高級品を購入しておく方が無難です。

 

 

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