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同じことはどうやって見る?

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先週「逆を検証する」で予告したので、「差がないこと」を検定する話をします。 仮説検定は、帰無仮説を棄却して有意差があることを検定する統計手法ですね。棄却されない場合、「有意差があるとは言えない」という表現を使い「同等である」と言う表現は用いません。 「同等であること」を検定したい案件はよくありますね。例えば、製造方法変更前後で製品性能に有意差がないことを証明したい。 2種類の検査法に差がないことを証明したい。などなど。 私自身かつて、「有意差があるとは言えない」を苦し紛れに「ほぼ同等である」として利用していたこともありました。 では本日の本題です。「同等である」を積極的に検定する方法はあるのでしょうか? 資料をご覧ください。

資料はこちら → 差がない

p.1 仮説検定の通常のやり方を記載しておきます。

p.2 積極的に「差がないこと」を検定したい場合は、「Δだけ劣っている」という指標を用います。新旧の検査方法で得られたデータの平均をμとして、帰無仮説は、「新法が旧法よりΔだけ劣っている」とし対立仮説は「Δ以上劣っていない」とします。 統計量を以下の式で求めて、片側検定を実施し、棄却できたら対立仮説が採用され、「同等である」となります。

p.3 信頼区間をイメージしてください。の場合が「Δ以上劣っていない」、の場合「Δ以上劣っている可能性あり」と判定されます。 Δが小さ過ぎたり、大き過ぎると誤判定となるので気をつけましょう。Δは、どこまで許容できるかによって決まります。

この手法「非劣性試験」と呼ばれる統計手法です。 新たな知見が得られたら、後日お伝えしますが、皆さんも検索してみてください。

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