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砂浜の生命体

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以前より興味があったテオ・ヤンセン展見てきました。興味のある方は是非行ってみてください。小学生対象のワークショップも6月に開催される予定のようです。会場では、リ・アニメーション(実演)が何回か実演されていて実物が動くところが見れます。会場は風がないので、エアーコンプレッサーで動かしていました。写真撮影が許可されていたので、資料にしてみました。

資料はこちら → テオ・ヤンセン

p.1 実演で見たストランドビーストは、「アニマリス・オムニア・セグンダ 2018」でした。体長は、10.0×4.0×2.5mです。「ストランドビースト」とは、オランダ語で「砂浜の生命体」という意味で、プラスチック・チューブや、ペットボトル、粘着テープといった身近な材料を組み合わせ、物理学による計算に基づいて作られた、風の力で砂浜の上を歩く生命体です。「アニマリス」は、「動物+海」の合成語、「オムニア」は「すべて」で、進化の過程で生まれた、あらゆる機能を合わせ持つという意味です。 このビーストは頭、胴体、足尻尾を持ち、頭には、風でビーストが飛ばないようにハンマーで杭を打つ機能水を感知すると、歩く方向を変えるセンサがあります。胴体には圧縮した空気を蓄積するペットボトルが連なり、歩くための複数の足があります。背中には、風を受ける背びれがあり、くねくねとうねることで、クランプを回します。クランプが回ると、右したのように足を動かすと同時にシリンダを上下動させて空気を圧縮して、ペットボトルに貯めます。 尻尾も揺らします。

p.2 実演で撮影した動画の一部を示します。シリンダが伸びることで、黒い部分地面を蹴って複数の足が動きます。シリンダが収縮して、足の方に移動後、シリンダが伸び足が動きます。これを繰り返します。海岸で、水を検知すると移動方向が反転します。その際に、シリンダが回転して上下方向が入れ替わります。後は、上記と同様に繰り返して反対方向に動いていきます。水を検知すると移動方向がなぜ反転するかその機構が不明でしたので、質問してみました。頭の下に、チューブが垂れ下がっており、その開口部からはエアーが排出されています。この排出口が水で塞がれると内圧が高まり、エアーの流路が切り替わるそうです。ガソリンを入れる装置と同様の原理のようです。

p.3 ストランドビーストは、進化を続けています。素材が軽量化されたり、空気を蓄えたり、動かないようにアンカーを打って固定したり、水を検知したり、浮力で浮くようにして砂の抵抗を低減したりしています。このストランドビーストは、化石エネルギーを使わない生命体としてユニークです。

各地で展示されていますので、探してみてください。YouTubeで検索するとたくさんヒットします。いくつかアドレスを載せておきます。

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