TVラジオの電波から周波数が高くなる(波長は短くなる)に従い、電子レンジに使われているマイクロ波→赤外線→可視光→紫外線となっていきます。
資料ご覧ください。p.1~2は昨日の復習です。 → 赤外光
p.3 赤外線は周波数が高くなる(波長は短くなる)に従い、遠赤外線→(普通)赤外線→近赤外線となります。 炭火で焼肉をしたりヒーターに使うのが遠赤外線、物質を同定する際に使用するのが(普通)赤外線、メロンやリンゴの糖度を測定したり、最近では有機物同定に利用するのが近赤外線です。波長の逆数を「波数」と言い、単位は「cm-1(カイザー)」です。周波数に比例します。
p.4 この図では、近赤外と遠赤外の2つに分類しています。
p.5 赤外線を浴びるとなぜ暖かくなるのでしょうか? 生体はタンパク質でできていますが、それらはアミノ酸から構成され、アミノ酸は水素・炭素・窒素・酸素などの原子が結合しています。原子を「重り」、原子間の結合を「ばね」とすると、エネルギーをもらうと「ばね」が伸びたり縮んだり、角度が変わったり振動します。分子が振動するのにちょうどよい加減のエネルギーをもらうと振動するのです。 強すぎても弱すぎても動きません。 この現象を共鳴(あるいは共振)と言います。 傘ラジオのバリコンで電気容量を変えてチューニングするのも、放送局の周波数に合わせて共振しています。 地震の周波数に合致した(共振した)建物が破壊されます。ブランコで、揺れに合わせて押してあげると力が伝わり、更に揺れが大きくなるのもこの原理を使っているのです。 難しい話より、論より証拠で、以下の動画をご覧ください。
共振の実験。オーソドックスなのは → https://www.youtube.com/watch?v=NGaG4T_Snh8
子供受けするのは → https://www.youtube.com/watch?v=Yng4A7g3oSE
地震などでどの高さの建造物が一番揺れるかがよくわかるのが → https://www.youtube.com/watch?v=mQx3ODPJAEg 地震のエネルギーによって壊れる建造物が変わりますので、いつも同じ高さのものが壊れるわけでないのです。 本日、大阪で震度6の地震が発生し、痛ましい事故が起きました。ご冥福をお祈りいたします。
長さが異なる振り子を全て動かすと → https://www.youtube.com/watch?v=gViLqrT6UUU 面白い動きをしますね。
p.6 電子レンジで食品が加熱される原理です。 水分がないと加熱できないことはご存知ですね。 水分子は、酸素原子がよりマイナス、水素原子がよりプラスになっています。電子レンジは、コンセントから得られる電気の周波数(50もしくは60Hz)に比較して、非常に速く振動(2.5GHzぐらい)しています。つまり、1秒間に24億5000万回もプラス・マイナスが変化します。水分子もプラス・マイナスを持っていますので、磁石と同様、同じ電荷は反発、異なる電荷は引き合う現象が起きて、水分子は24億5000万回向きを変えることになります。運動しているので熱エネルギーに変換され加熱されます。
p.8 吸収されるエネルギーを計算するため、原子を重り、結合手をばねに見立てると「フックの法則」が成り立ち、振動数と質量の関係式が得られます。
p.9 温室ガスの吸収エネルギーの計算例です。 興味のある方はご覧ください。
p.10~15 赤外分光の話です。興味のある方はご覧ください。FTIR(高速フーリエ変換赤外分光)は画期的な赤外分光技術です。SN比を上げ、かつ短時間計測が可能になりました。 フーリエ変換が大活躍です。以前に紹介した「フーリエの冒険」を読むと理解し易いです。インターフェログラムは種々の振動数の赤外光を合成した波です。SN比は積算回数を増やすと増加します。ノイズ部分がプラスマイナスゼロになっていき、信号だけ増幅されるのです。
専門的な話になってしまいましたが、共鳴(共振)という現象はいろんなところに現れます!! 相性(波長)が合うとパワーが発するのです。