生産効率が悪い、在庫が溜まるなどの問題に苦労していませんか? このような問題解決のためにエリヤフ・ゴールドラットさんが編み出した「TOC理論」(Theory Of Constraints:制約理論)があります。 一言、「ボトルネック理論」と言ってもよいのではないかと思います。 ゴールドラット博士は物理学者なのです。私は理系人間なので、惹かれるものがあります。 この理論をわかりやすい実験で示す動画があります。英語がわからなくても、見ていれば意味が分かると思います。 まさに「ボトルネック理論」と言えると思います。
ボトルネック実験の動画はこちら。クリックしてみてください。 → ボトルネック実験
私が研修生用に説明した資料はこちら。 → TOC
3つのボトルの水を満たして逆さにした時、空になるのが早い順番は?という問題です。 Aはそのまま、Bは軸方向にボトルを回転、そしてCはストローで空気を吹き込むです。 なぜかわかりますか? 理由は物理的な説明で可能です。ここが私の好きな部分になります。資料の2ページ目をご覧ください。 ボトルに水で満杯にしてボトルの口の紙等で抑えて逆さにして紙を静かに取り去る、あるいは水で満杯にしたボトルを水槽の中でボトルの口を水槽の水中に入れたままで逆さにした後、静かに垂直に持ち上げると、どうなるでしょうか? 中の水は流れ落ちてこないと思います。 大気圧の方が、ボトル内の水の圧力よりずっと大きく、ボトルの口での水の表面張力により、気泡がボトル内に入り難い理由によります。 Aの場合は、前述のように慎重に逆さにするわけではないので、気泡入り込み上がっていき少し水が流れ出てきます。しばらく水が流れるとボトル内が陰圧(大気圧より低い)になるので、水が一瞬とまりますが、気泡が入るとまた流れ出します。この繰り返しになります。 Bの場合は、ボトルを回すことにより渦ができて、渦の中心から空気がボトル内に入りやすくなり、ボトル内は陰圧になりにくくなります。 Cの場合はストローで強制的に外から空気を入れ込みますので、その圧力が大気圧に勝って水を押し出します。 ボトルの口がまさに「ボトルネック」になって、水が速く流れ出ることを「制約」しています。
このボトルの「制約」を理除くために、Bでは回転、Cではストローで空気を入れるという智慧を出すわけです。いかに優れた智慧を出すかにより効率が左右されるのです。製造工程でネックになっている部分を改善してあげればよいのです。在庫が溜まる理由を取り除いてあげればよいのです。
ゴールドラット博士の書いた「ザ・ゴール」を映画化した内容が一部動画であります。 → https://www.youtube.com/watch?v=2RVMgV37O_k