線図を使うと計算が簡単になるという話をしました。では、この線図はどうやって作成するのだろうと疑問になりませんか? 私の場合、どうしてもその辺が気になってしまうのです。周知の事実なのか古すぎて資料がないのか、Webサイトでで検索してもなかなかヒットしてくれません。大学時代の化学工学の本を棚から引っ張り出してきてみましたが、見当たりませんでした。しつこく探しているうちにやっと見つけました。あるものですね。
文献はこちら → https://www.jstage.jst.go.jp/article/transjsme/88/911/88_22-00105/_pdf/-char/ja
この資料を基にExcelでグラフを描いてみましたので、資料にまとめました。
資料はこちら → 化学工学その5
p.1 左上のグラフをExcelで描く方法です。 熱移動の偏微分方程式を数学的に解いた式が、赤矢印の先の式です。三角関数と級数が合体した式です。
p.2 βnの値を三角関数に入れて足していけばよいので、αt/b2=1とし、赤枠の式をExcelに入れて計算します。nを無限大にするまでもなくn=2でほぼゼロになってしまいます。念のためn=5までの合計を算出して1より引いてθとしました。X=z/bを0~1まで変化させてθを計算したグラフです。右上の赤い曲線と同様になりました。
p.3 αt/b2を0.01~1まで変えて同様にθを計算してプロットしたところ、線図と同じグラフを得ることができました。
使用したExcelファイル → 線図
p.4、5 以前のブログ「情報の積み重ねで未来を予測する」では偏微分方程式を差分を用いてシミュレーションしていましたので、当時の資料を再掲しています。詳細は当時のブログをご覧ください。Excelを利用するのであれば、差分方程式の方が楽かもしれません。
気になったことや疑問があったら、とことん調べてみるとことをお勧めします。将来役立つと思います。