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線図で問題が解ける

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先週に引き続き、熱移動物質移動に関する話です。

資料をご覧ください → 化学工学その4

p.1 熱移動や物質移動の偏微分方程式直角座標、円柱座標および球座標について表してあります。■には、温度T濃度CAが入り、○には熱拡散係数α拡散係数DAが入リます。よく似た形です。赤字の部分が変わることを覚えておけば、1つ式を覚えれば良いことになります。

p.2 偏微分方程式を解くことが大変な場合に、既に解かれている結果を無次元でプロットした線図を利用すると便利です。直角座標で説明します。厚さ2bの直方体があるとします。左上のグラフの横軸はz/bで、z=bの時1.0になるので無次元数です。この1.0は平板の表面位置を表します。0は平板の中心位置になります。縦軸の左のラベルは、下が0で、上が1.0で、平板の中心温度を無次元にした数値です。のラベルは上下が逆転していますが、平板の表面温度を無次元した数値です。青い曲線時間増大と共に変化して平板中心部の温度が表面温度に漸近して行くことを表しています。 円柱座標球座標でも時間増大と共に中心温度が表面温度に漸近して行きます。

p.3 赤字の部分が全て無次元になっています。の曲線に記載の数値は、伝熱・物質移動形状により異なりますが、いずれも時間tが入っていることより、時間増大に伴い数値が増大します。αは熱拡散係数Dが拡散係数、bとRは長さ半径を示しているので、定数です。

p.4 この線図の使い方を説明します。「厚さb=2cmの豆腐の、中心部温度T0=34℃表面温度T1=4℃ の時、中心部温度Tが7 ℃になる時間は?」という問題を解きます。平板中心の温度は(T-T0)/(T1-T0)=0.9平板の中心(z/b=0)でαt/b2 =1.0の曲線の接します。αを水の熱拡散係数α=1.5× 10-7[m2 s-1 ]として代入すると、時間t=2700秒=45分と算出できました。次の問題、「直径2cmのキュウリを塩1%の溶液に浸して3時間後に、0.5%の濃度はどのくらい距離まで浸みているか?」の場合は、物質移動なのでαの代わりに拡散係数Dに置き換えます。縦軸の温度Tを濃度Cに置き換えると、p.1で示したように偏微分方程式の解には類似性がありますので、無次元の線図はそのまま使えます。必要事項を代入して、計算で求めることができます。

p.5 「34℃のスイカ(直径40cm)を4℃の流水中に置いて冷やす。スイカの中心が7℃になる時間は?」という問題も、p.4と同様に線図を用いて解くことができます。

熱移動であれ物質移動であれ、無次元の線図を用いれば偏微分方程式を解かなくとも数値計算が可能です。

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