「宇宙を解くパズル」(著者:カムラン・バファ、大栗博司 発行所:講談社)からパズルの話題です。考えてみてください。超弦理論の第一人者が、数学に基づいたパズルを提供してくれています。宇宙を解くにも数学が関係し、難解な数学をパズルを例に置き換えて説明してくれます。
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p.1 「問題1 以下のようにペンキを移動させた後のCにおいて、白の缶内の緑のペンキの濃度と緑の缶内の白のペンキの濃度、どちらが高いか?」という問題です。問題を絵にしてみました。
p.2 「問題2 10個の箱のうち9個の箱には、1kgの分銅が10個、残りの1箱には、0.9kgの分銅が10個入っています。 1回の測定で、0.9kgの分銅が入っている箱を特定してください。 測定器はデジタル天秤です。」
p.3 「問題3 2本の釘にひもで額を掛けた後、どちらかの釘を引き抜いて、額が落ちるようにしたい。どのように、ひもを掛ければよいか?」
p.4 「問題4 L字型物体の重心は?」
p.5 解1 濃度は同じ。 10枚ずつ黒と赤のカードを考えます。黒の山から3枚カードを赤の山に移動後、シャッフルします。真中の絵の緑枠のカード3枚を黒の山にもどします。各々の山について、赤及び黒の濃度を算出するといずれも2/10となります。移動する3枚の組合せに関係せずに、濃度は等しくなります。
p.6 解2 各箱にナンバーを付けて、その番号の数だけ、分銅を取り出して、電子天秤に載せて重量測定します。1~10を足し算すると55なので、1kgの分銅であれば55kgになります。(55-測定した重量)を計算すると0.9kgの分銅が幾つ電子天秤上にあるかがわかりますので、10倍すると箱のナンバーになります。
p.7 解3 αは、1本目の釘に時計回りに巻き付ける回数、αー1は、反時計回りに巻き付ける回数、βは、2本目の釘に時計回りに巻き付ける回数、βー1は、反時計回りに巻き付ける回数です。左図のようにひもを巻き付けた状態を数式で表すと[α、β]=α・β・αー1・βー1です。この状態では、額はひもで釘に巻きついていて額が落ちることはありません。α・αー1=1及びβ・βー1=1は、時計周り×反時計回りなので、ひもが解けるという数学的な意味になります。いずれかの釘を抜くとαあるいはβが1になり[α、β]=1となり額は落ちます。
p.8 解4 長方形の重心は対角線の交点です。2つの長方形の重心を結んだ線上にL字の重心があります。長方形の位置関係は2通りあります。2通りの直線の交点がL字の重心となります。