最初から脱線しますが、「デタラメ」は英語でbullshitです。bullは雄牛、shitは糞です。今日は、「選択バイアス」に関連するデタラメです。
資料はこちら → デタラメその2
p.1 子供がいる世帯の60%は一人っ子です。きょうだいがいる子供は、子供全体の約60%です。この2つの文章は合っていますか? 直観的に間違っていると考えた方はいますか? 下の図をご覧ください。合っているのです。家族という切り口と子供という切り口でみた場合の文章を比較するとおかしな判断になってしまいます。
p.2 渋滞した高速道路でほとんどの方は経験していると思います。渋滞の場合、追越車線と走行車線のどちらを選択しますか? 高速道路が渋滞してきた時に、空いている方を選んで車線変更すると、流れの遅い車線にばかりいるような感覚になりませんか、この効果を「観測選択効果」と呼びます。左下のグラフをご覧ください。二車線の渋滞時には、走行車線の方が速度が速くなっています。右は三車線の場合ですが、やはり走行車線の方が遅く感じますが動いているようです。
p.3 人柄と見た目の関係は左図のように無相関です。右図をご覧ください。自分がデートしたくない人は、グラフの左下、相手が自分を誘ってくれないのは右上になります。 したがって、人柄と見た目の関係は、あたかも負の相関があるように感じるようです。
p.4 左図をご覧ください。音楽ジャンル毎の平均死亡年齢を示しています。ラップ、ヒップホップのミュージシャンの平均死亡年齢が25~30歳となっています。おかしいと思いませんか? これは「右側切り処理」が原因です。データ処理した時に生存者のデータはカットしてカウントしていないのです。 ラップ、ヒップホップのミュージシャンは若い人が多いので、生存者が圧倒的に多いのです。
いかがですか? データをよく見ないと感覚的なバイアスにより間違って判断することになります。デタラメなデータに注意!