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これからは匠の技

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生物に学ぶガラパゴス・イノベーション」(著者:稲垣栄洋 発行所:東京書籍)の著者は、以前のブログ「芽生える季節到来/ 足元に何が?」で紹介しました。「身近な雑草の愉快な生き方」(著者:稲垣栄洋 発行:筑摩書房)という本でした。この本でも雑草の戦略を面白おかしく紹介されています。今回の本では、ガラパゴスになぞらえて、島国である日本の戦略を述べられており、面白い着眼点だと思います。 詳細は本を読んでいただけるとして、私なりに少しまとめてみました。1ページ目が本の内容を参考にイメージしたもので、p.2~4は私がWebsiteから探してきたものです。

資料はこちら → ガラパゴス・イノベーション

p.1 ガラパゴスの動物に関しては、上述の本をお読みください。興味深く読むことができます。 この本の途中に書かれていた内容をイメージ図にしてみました。高度成長期の日本の電機メーカーは、品質が良いので白物家電の売上を伸ばしていきましたが、中国や韓国が低コストで大量生産し始めることで、売上高が激減していきます。ところが、最近、ご飯炊き名人の技術、経験値をデータ化して、デジタル技術と融合した炊飯器が好評で売上を伸ばしてきています。ご飯の炊き上がりに付加価値をつけたのです。これには、日本の優秀な素材も貢献しています。コピー機にしても、スキャナー・ホチキスによる製本・IoTによるインク管理、枚数管理・速乾性インク等技術により複合複写機として、付加価値をつけています。 紙詰まりがない品質のコピー機は日本の得意分野です。日プラ(株)は従前は、アクリルパネルの下請会社でしたが、シームレスにアクリルを接合する技術を用いて、水族館の透明な大型水槽で引っ張りだこのようです。 大量生産型の産業が大陸型とすると、匠の技術を屈指する技術ガラパゴス的産業であると筆者は述べています。 日本は、これを目指すべきだと。私も同感です。 大きくて、力が強いものよりも、小さくて力が弱い方生き延びる力が強いとも著者は述べています。確かに、ライオンや象よりもネズミの方が生き延びる可能性は大きそうです。 ガラパゴスのゾウガメの寿命はかなり長いですね。

p.2 以前「達人とロボットが礼をもって試合終了達人とロボットが礼をもって試合終了」で紹介した安川電機の動画からピックアップしました。居合術者の体の動きをデータ化してロボットに同じ動きをさせます。右上が「袈裟斬り」、右下が「水平斬り」で、居合術者とロボットの切った瞬間の写真です。微妙な手の動きが再現しているので、真っ二つに切れているのがわかります。 この後「千本斬り」を両者並んで行いますが、居合術者は、最後の方はかなり息が切れているように見えます。ロボットはまだまだ斬り続けるでしょう。 最後に、両者が礼をする場面(左下)は、滑稽ですね。 このロボット技術も、匠の技術を再現したもので、いろいろな分野での応用が可能になると思われます。 動画はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=O3XyDLbaUmU 何度見ても面白い。

p.3 「へらしぼり加工」も日本人の得意とする匠の技です。自動化も進んでいますが、未だに精度が要求されるぶぶんには熟練者の技が必要だそうです。プレス加工でできたものにがある場合(右上)、へら加工により歪を修正することができるそうです。

動画はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=FDhioc3PlPA&t=970s

p.4 「ラップ磨き」も匠の技です。作業台平面の粗さが0.35マイクロメータだそうです。1マイクロメータは千分の1メリメータですから、かなり小さい凹凸であることがわかります。この作業台では、砥石が氷上のように滑っていきます。 この作業台の上で定規の平滑度をラップ仕上げで研磨していきます。1マイクロメータの凸部を研磨して0.5マイクロメータ以下まで平滑にする匠の技術です。動画はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=Wojlc3VsuHQ

この他にもYouTubeで「匠の息吹を伝える~"絶対"なき技術の伝承~」で検索すると種々の匠技術を見ることができます。

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